冷蔵庫で冷やして撮影、体長14mm。
背面。暗部をやや明るくし、コントラストも少し低くしてあります。
横から。
正面から。額も顔もかなり特徴的。
沢山貼って申し訳ありません=>管理人様へ
アーチャーンさん、こんにちは。
このヒラタアブは紛れもなくEpistrophe属です。本属の黒ベースでシロオビを持つものの分類は結論が出ていません。
少なくとも4種はいるのですが、どの種名を充てるのがいいのか解らない状態なのです(昆虫と自然5月号2011及び過去ログNo.6870をご参照ください)。
ただ、和名ではほぼ共通認識になると思います。
まず複眼に毛があるかどうかですが、画像からは無毛に見えますね。次に翅の第2基室bmの微毛の状態を確認します。微毛が全体にあればウスグロオビヒラタアブ、前半分が無毛であればホソオビヒラタアブです(添付画像では確認できません)。
他の2種は複眼が有毛です。
いやー、いろんな生き物がいるお庭、うらやましいです。
アーチャーン様,pakenya様.
種名を確定できない市毛です(^_^;)
実は,水戸市内の住宅地にある我が家で11月に♀が採れています.山地性の種類と考えていたので非常に驚き,稀なケースと考えていたのですが,平地で発生して山間部と往復しているのですかね?
pakenya様、市毛様.
御回答有り難う御座います.
第2基室の微毛と云うのが、どうも良く分からないのですが、等倍マクロ撮影(或いは2倍)程度では見えないものなのでしょうか(2番目の背面からの写真は、撮影、切出、圧縮を含め、拡大して解像力は等倍撮影の1/2倍程度)。「札幌の昆虫」のハナアブ類を参照する時に、何時も困っています。
現在、かなり過労状態なので、近日中に第2基室(擬脈のある室の内側ですね)の写真を撮って載せる予定でおります
。
今まで虫は殺さない様にしておりましたが、結果的に皆様に大きな迷惑をおかけすることになっているのは明白なので、最近は虫体を確保する様にしております。
このEpistrophe sp.も、現在、羽化♀1頭、蛹1幼虫4が居りますが、必要であれば(羽化後に?)標本にして何方かへお送りすることも可能です。
昨年は猛暑だったそうですが(私はその時期、日本に居なかったので、どの程度の暑さだったのか知りません)、シママメヒラタアブが、我が家の庭を含めて、この辺りに多数出現したり、外庭のコナラにマガイヒラタアブが多数付いたり、かなり特殊な状況だったと思います。このEpistropheも、その様な状況で我が家に発生したのだろうと思っています(毎年、晩秋になるとブログネタが少なくなるのでコナラの葉裏はよく調べています)。
近日中に第2基室の写真を貼りますので、今後とも宜敷御指導下さい。
翅の写真を生体のまま撮ってみましたが、体の毛が邪魔になって微毛の存在は良く分かりませんでした。
雄が羽化したら標本にして写真を撮ろうと思っていたのですが、残りの蛹1個は羽化せずに黴が生え、幼虫4頭も未だに蛹化する気配はなく、かなり弱ってきました。そこで、仕方なく、上の写真の個体に、雌ですが、標本になって貰いました。展翅標本を作るのは40数年ぶりで、小翅片が折れ曲がり、Rs脈は折れてしまいました。
色々な方向から写真を撮ってみましたが、翅が光を反射して中々良い写真が撮れません。後斜めから撮ったのが左の写真です(右の翅は小翅片が折れて第2基室に少し重なってしまったので左の翅で撮りました)。M3+4脈の上に見えるのが、問題の微毛でしょうか。
そうであれば、ほぼ第2基室全体にありますから、ウスグロオビヒラタアブと云うことになります。
これで、正しいのでしょうか、宜敷御指導下さい。
翅の微毛をきれいに写すのは結構難しいです。
僕は、白い背景で白い紙のハウジングの中でのバウンス主体のライティングにして5倍撮影しています。被写界深度が浅いので、翅の起伏で翅室全体にピンが来ないので苦労します。
さて、この写真で見ますと2nd basal cellの前半分は微毛がないように見えます(cu脈沿いには見えますよね)。1st basal cell(一つ前側の擬脈が走る部屋)や周辺のcellも無毛部が多いようですので、この標本はホソオビヒラタアブの方ではないでしょうか。
ウスグロオビヒラタアブは、翅のほぼ全体が微毛でびっしり覆われるので、翅は少し茶色く煙って見えることが多いです。
pakenya様.
よく考えてみると第2基室の後の部屋はcua室ですから、M3+4脈ではなくてCuA脈でした。お恥ずかしい。
5倍で撮影されているとのこと。上の写真は等倍撮影で、拡大してピクセル等倍ですから、もう少し高倍率で撮り直して見ます。
御回答有難う御座いました。
pakenya様.
倍率約3.5倍で撮ってみました。拡大してピクセル5/6倍に縮小してあります。
等倍撮影では、第2基室の端に近い影はゴミだと思っていたのですが、どうやらこれは微毛の様です。また、CuA脈上だけでなく、室の方にも脈に沿った室や基部にも微毛があります。これらの微毛の分布からホソオビと判断しても問題ないのでしょうか。
東京都本土部昆虫目録ではホソオビヒラタアブはEpistrophe (Epistrophe) angustifasciata となっています。しかし、白帯グループに関しては分類が確定していないとのことですから、現時点ではEpistrophe sp.とすべきなのでしょう。また、市毛氏の写真集を拝見すると、黄帯グループにEpistrophe亜属の種がかなりあります。「白帯グループ」とは亜属と関係のない便宜的なグループ分けなのでしょうか。
良く分からないことだらけです。宜敷御指導下さい。
第2基室の端側1/2
第2基室基部側1/2。上の写真と極く僅か(42ピクセル程度)重複しています。
アーチャーン様
2nd basal cellのCuA脈沿いに微毛が存在するものの、その前方に広く無毛域があるものがホソオビです。
亜属の問題ですが、解決していません。
はなあぶ24号に市毛さんがキオビグループのEpistropheについて解説しています。それによると、日本産昆虫総目録に収録されているEpistrophella亜属とされているものは間違いで、日本を含む旧北区にはEpistrophe亜属のみが分布する、もしくは別系統のものが含まれているがEpistrophella亜属ではないと考えられます。これらはgenitaliaの内部を詳細に見ないと判らないようです。で、白帯グループと黄帯グループは亜属とは関係がありません。まだ、Geniを含めて検討不十分といったところです。
pakenya様.
早速の御回答有難う御座います。
ホソオビの特徴、白帯、黄帯と亜属との関係など、理解致しました。我が家(小田急線成城学園前駅から僅か250m)の庭で育った大型のヒラタアブの分類が未だに確定していないとは一寸驚きです。まァ、しかし、双翅目というのはその様なグループの様ですが・・・。
残りの幼虫4は、自然環境に近いベランダに出しましたが、未だに蛹化していません。まだ柔らかいのですが、死んでいるものもある様です。幼虫9頭の内、羽化成功1頭とは、我ながら忸怩たる思いがあります。しかし、その儘にしておけば、植木屋さんに刈られて、焼却される運命にあったのですから・・・。
標本は、私が持っていても意味がありませんので、雌ですが、何らかのお役に立つのであれば、お送り致したく存じます。
今後とも宜敷御指導御願い申し上げます。