関東同定会に参加されました皆様、お疲れ様でした。
今回は地元栃木県で開催とのことで、できる限りお手伝いをさせていただきましたが、いたらぬ点がありましたことお詫び申し上げます。 さて、お尋ねさせていただきたいのは、栃木県北部の林道に8月〜9月にかけて設置したマレーズトラップで得られたハエです。アルマンキアブモドキなどとともに3個体捕獲されていました。なさけないことにfamiliyもわかりません。ご教示いただければ幸いです。体長約9mmです。よろしくお願いいたします。
ハネオレバエ科Psilidaeと思いますが、今直ちに正確な同定結果を示すことができません。
アノニモミイア先生
ご無沙汰いたしております。ご返信ありがとうございました。 このハエについて、後程私信させていただいてもよろしいでしょうか?
りゅうひ様。どうぞご連絡ください。
岩佐教授に照会したところ、「Loxocera(Platystyla) sp. near monstrata と思われるが、画像だけでは種名までたどり着けない」とのことでした。興味をひかれたようでしたので、標本送付をお覚悟のうえで、帯広畜大の岩佐教授にご相談なさってはいかがでしょう?
関連文献を入れそこないましたので、載せます。
http://ci.nii.ac.jp/els/110004022061.pdf?id=ART0006278147&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1291688767&cp=
すみません。参考文献の引用に失敗しましたので、6646は削除してください。この文献は、Ciniiのサイトで「 Loxocera Kuril 」で検索すると出てきます。
ezo-aphid様
ご返信誠にありがとうございました。 また、お申し出誠にありがたい限りです。 実は標本は今はアノニモミイア先生の元にあります。 岩佐先生の見解と同じ見解をいただいておりまして、いずれも♀個体ですので、来年またマレーズトラップをしかけて♂個体を得ようと思っています。
りゅうひ様
落着済みとは知らず、差し出がましいことををいたしました。得られているLoxoceraの標本数は、まだまだ少ないようです。発生環境が限られるものなのでしょうかねぇ。
同定結果をりゅうひさんにお知らせして、この場所に示さなかったので、ezo-aphidさんに余計の手数をかけました。
りゅうひさんから送られてきた昆虫は、岩佐光啓氏が記載したLoxocera (Platystyla) monstrataに極めて近縁の未記載種です。L. monstrataとは、 1.体色がほぼ全面的に黒色ないし黒褐色(頬と中胸のkatepisternumが広範に黄褐色)。(L. monstrataでは広範に黄色)。 2.脚は黄色、後脛節の先2/3が暗褐色(L. monstrataでは中、後脛節が淡褐色)。 3.体長が♀で11mm(L. monstrataでは8mm) 4.翅は透明、翅のr-m横脈より先の中室前縁脈から後縁脈にかけて、これらを取り巻くように翅膜は特徴的な褐色条をあらわす(L. monstrataでは翅は透明で淡褐色を帯びる)。 5.翅は8.5mm(L. monstrataでは5.5-6mm) 6.平均棍は黄白色(L. monstrataでは淡褐色)。 の諸点で顕著に異なり、採集時期も8月から9月にかけてで、L. monstrataと同時期であるために、季節型とも考えられません。 なお、Platystyla亜属の模式種であるヨーロッパのL. (P.) hoffmannseggi Meigen, 1826、は胸部が今回の種と同様に光沢ある黒色ですが、本亜属に特徴的な触角刺毛(arista)が白色で白い毛でおおわれ、また第1-3腹節が橙色、さらに触角の基部の2節がかなり長いので、今回の種とは異なります。 3頭とも上記形質を等しく保有しますので、♀のみでも記載可能ですが、りゅひさんの来季の成果に♂の採集を期待してからにしたいと思います。 |
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