以前この掲示板に投稿させていただきました村川と申します。
ここに書くべきか迷ったのですが、一番双翅目関係の方がご覧になっているようなのでここに書きます。 この掲示板を見て、色々な双翅目がわかるようになり、さらに詳しいところまで勉強してみたくなりました。しかし、文献など入手できる物が限られており、また、近場に双翅目に明るい方がいないため、自分で同定した物があっているかどうかがよく分かりません。そこで、双翅目の学会などに入会したいと思うのですが、どうしたらよいでしょうか? 下手な文章で申し訳ありませんが、何かご助言いただければうれしいです。
うみぼうず様.
私も,10年程前に同様の悩みを持ち,双翅目談話会に入会しました.大阪で開かれる年2回の同定会にほとんど皆勤賞で出向いていますが,同定してもらえた標本は極一部です.未だに,大半の標本が未同定で眠っていますし,年々増殖しています;^_^) 結局,一部のグループを除いて,文献を集めて自分でコツコツ調べるしかないようです. 他の昆虫群と比べると同定の難易度がきわめて高いので,同好者が増えないのが双翅目の宿命のようです.
茨城@市毛様
ご返答いただきありがとうございます。 双翅目談話会に入会すれば、独学では全く分からない部分もある程度分かるようになるかと思ったのですが、やはり自分で勉強してきちんと論文を発表できるくらいにならないと入会する意味がないのでしょうか。 なかなか双翅目を勉強するのは難しいのですね・・・
うみぼうず様.
談話会に入会すればある程度の情報は得られると思いますが,過度な期待はしないほうが良いです. 基本的に双翅目に興味があるアマチュアが集まって出来た会ですので,分類の専門家はほとんど加入していません. 同定会で詳しく調べてもらえるグループも,イエバエ,クロバエ,ニクバエ,ミバエ,アブ,ハナアブ,ムシヒキアブ等に限られています.(限られたグループの分しか同定のための資料を持ち歩いていないからです.) そのような訳ですので,基本的にはコツコツと独学するしかないのです. 自分で同定した物があっているかどうかは,文献を集めて記載や交尾器等の図を参考にして自己採点するのが良いと思いますし,私自身もそうして調べています.
ただいま引越し作業中でネット環境がよくない管理人です。(ついにメインのPCがウンともスンとも言わなくなり、古いVAIOノートで見ております。)
日本産の科だけで120以上が記録されているDipteraのすべてを把握できると考えてしまうのはかなり無理があると思います。 全種が掲載されているまとまった図鑑のような文献がある科は極めて少なく、みなさんが個別に学会誌等の文献から情報を集めて同定を行っています。(まだまだ進んでいない分野なのです) 文献の調べ方については旧サイトの方に出してあるので下記 URLをご参照ください。(きっと月末近くなると異常アクセスの累積によるデータ転送量オーバーで見れなくなるかもしれないので、保存されたほうが良いかもしれません。) http://furumusi.aez.jp/bunken/bunken.html 甲虫などに比べ、外見のパッと見の同定がしにくく、翅脈や剛毛・刺毛の配列や♂ゲニタリアなどが重要な識別ポイントになるグループなので、慣れないうちは苦労があると思います。でも難しいやつが同定できたときの喜びもまた大きいのも、双翅目の楽しみのひとつではないかと思っています。
うみぼうず様
私も双翅目に興味を持つようになってから、10年以上になりますが、なかなか自力同定が出来る双翅目が増えていないのが現状です。その理由として、双翅目の研究をしている分類学者がものすごく少ないために、自分が取り組もうとしている双翅目のグループを文献などで同定しても、必ず不明種が含まれており、結局それが未記載種や日本未記録種であることになり、分類学者の研究を待たなければならなくなるためです。 双翅目のほぼすべてのグループに多くの未記載種や日本未記録種が含まれていると考えて良いと思います。つまり、日本の双翅目は名前がついているものは5,000種くらですが、名前がついていない種がおそらく10,000種くらいいると思われます。しかも名前がついている種にも多くの問題(専門家の誤同定など)が含まれています。つまり日本の双翅目の解明度はおそらく2割以下だと考えて良いと思います。 このような現状なので、同定依頼があっても、とてもさくさくと同定をすることは出来ません。名前をつけることは、なかなかしんどい作業となります。ましてや、双翅目談話会の総会のように遠方で行われる際に、多くの同定に必要な文献類をとても持って行けませんし、会場で準備する実体顕微鏡の倍率も同定に必要な倍率ではないことも多々あります。なので、総会での同定依頼はあまり期待しない方が良いと思います。 ただし、双翅目の中には、ハナアブやムシヒキアブ、ミギワバエ、クロバエ、ニクバエ、ミバエなどなどある程度分類学的研究が進んでいるグループはそれなりにありますので、それらについて標本や文献を集めて少しづつ取り組んで行くのが良いと思われます。それと、ハナアブやムシヒキアブの研究者は総会に来ていることが多いため、それらについては同定してもらえる可能性は高いと思います。他のグループについては、専門家が日本にいなかったり、総会などになかなか来ないため、同定してもらえるかどうか何とも言えません。 私も仕事ではクロバエやニクバエを同定していますが、標本を壊して♂交尾器を取り出して文献とにらめっこをしてやっと同定している状況なので、とても専門家のレベルではなく、総会などでクロバエやニクバエを同定することは誤同定をする危険があるため、あまり気が進みません。 ということで、双翅目の膨大な未記載種や日本未記録種は考え方を変えれば宝の山だと思いますので、それらを楽しむことが肝要ではないかと思います。つまり双翅目は、自分が日本で第一人者になれる可能性がある手つかずのグループがたくさん埋もれているすごい昆虫だと思います^^ ケンセイ@目指せガガンボ屋
うみぼうず様
はじめまして.山口県の柿沼といいます. そうそうたる方々がコメントされていますので,私の意見などは参考にならないと思いますが,超初心者の立場から若干の私見を. 私も数年前に双翅目に興味を持ったのですが,解らないことばかりで,勉強しようにもどんな参考図書があるのかもわからない状態で途方にくれていました.双翅目談話会会員のT. Iさんに勧められ,当会に入りました.同定会に標本をいくつか持ちこんで同定していただいたのですが,みなさんとても親切で,親身になって相談にのってくださいました.その場での同定には限界があるとのことで,ご自宅まで持ち帰られて調べて下さいました.同定以外にも,同定会の席上での議論,引き続いて行われる講義,配布される資料,夜の懇親会での議論,懇親会が終わってからホテルのロビーで深夜まで行われる議論などが,大変に参考になり,それまで疑問に感じていたことの多くが一気に解決して感激しました.それ以上に,会員のかたたちと知り合いになれたことが大切な財産になったと,現在感じています. それのみでなく,年2回発行の会誌「はなあぶ」が,非常に有用で,図鑑などに載っていない種の再記載や写真(しばしばカラー写真です)が掲載されたり,特定のグループの種までの検索表が載ったりしますので,涙ものです.年会費3000円でこの情報量ですから絶対お勧めです.勉強したことを報告として投稿することもでき,また投稿は歓迎されます. もうひとつのお勧めは,すでにご覧になっているこの掲示板です.双翅目談話会の方のみでなく,世界的な研究者のかたからもコメントを頂けることがあり,その多くが図入りです.さらに対話形式で質問も可能ですので,非常にありがたいです.ただし,みなさん純粋にボランティアとして参加されているので,「知っているくせに何で質問にこたえんのか」といったスタンスは絶対避けた方がよいことは,すでにご存じと思います. 図書では,原色日本昆虫大図鑑のIIIが,掲載されている種類が多くて,新しい知見が多く入っていると思います.種まで同定できるグループは一部に限られるのと,誤植等の注意点もあるようですが,総説の部分は必見です.そのほかに各グループについて多くの良書がありますが,長くなるので割愛します. 今回のレスを書かれている方々は,いずれも双翅目談話会の,もっといえば我が国の中心的な役割を担っておられる方です.コメントの内容がやや硬めに感じられるかもしれませんが,それはこのかたたちが,主に同定依頼を受ける立場にあり,双翅目の同定の困難さ,勉強の大変さを痛いほど熟知しておられるからであって,安易な発言やいい加減な同定をすることの危険性を深く考慮されてのことだと思います.実際はみなさん大変親切な方です.ただし,同定依頼は大変な困難と労力を強いることになりますので,なんでも持ち込んで片っ端から依頼する,というようなスタンスは取らず,自分なりに勉強して同定の最終確認をお願いする,どうしても解らないポイントを教わる,といったやり方をしたほうがいいと思いますし,自分の勉強になると思います. 未知なことが多く,勉強にも困難が多いことが,逆に多いに好奇心が刺激され,面白くてきっと病みつきになると思います. 解りきったことばかり書きましたが,いっしょにがんばりましょう.そしてこの領域の学問の発展に,私たち素人もどんどん貢献しましょう. (市毛様,ケンセイ様,ハエ男様,余計なことを書きましてすみません.同定依頼が殺到しないことを祈っています)
ご返事遅れました。申し訳ありません。
ええと、何か誤解があるようなので訂正させていただきます。まず、同定について、わたしも毎日のようにこの掲示板を見ておりましたので双翅目の同定が非常に難しいことは分かっておりますし、会に入ればすべての種類を同定できるとは思っておりません。また、先生方に大量の双翅目を同定していただこうとは思っていません。 私としては何年も双翅目を勉強してきた先生方の生態学的・分類学的知見をお聞きしたく思っています。現在の私の状況では、普通種と言われる一般的な双翅目も科までしか確実に同定出来ません。それを少しでも改善できるかと思い、書き込みをさせていただいたのです。 茨城@市毛様 やはり基本的には独学しかないのですね。 現在私は福島県の害虫駆除会社に勤めており、毎日粘着トラップに付着した昆虫類を見ております。休日には双翅目の写真を撮ったり、採集を行って標本を作ったりしています。いずれ普通種のみでも良いので、双翅目の種層を調査できたらなーと思っています。 ハエ男様 リンク先はよく文献探しに使わせていただいております。国会図書館にも昨年登録をし、色々な文献を集めることができました。しかし、一部の文献については見ることができないため(旧北区のマニュアル(双翅目)など)、その辺をどうしたらいいのか良く分かりません。そういったことを談話会でお聞きしたいな〜と思っています。 ケンセイ様 双翅目の未記録種は10000種以上いるのですか!そうするとかなり同定は大変なのですね。 私は蛾類の学会とかに入っているので、ある程度マナーなどは分かっているつもりです。なので会場への標本の大量な持込は考えてはいません。どうしても分からないものを2〜3頭持ってくることはありますが・・・ 柿沼様 ありがとうございます。 皆様厳しいご意見ばかりだったので、双翅目談話会は一般の人が入ってはいけないのかと思っていたのですが、そうではないのですね。よろしければ私も双翅目談話会に参加させていただきたく思います。 やはり、一度双翅目の先生方にお会いしてみたいと思います。なので、双翅目談話会に入りたいと思います。 それで、双翅目談話会に入るには具体的にどうすればよいのですか?
当サイト内に談話会のサイトも併設してありますので、そちらをご覧ください。 http://diptera.jp/dipterist/dipterist.htm
入会希望者は事務局まで入会希望の申し込みを郵送で出してください。 ただ、このBBSでその住所等を出してしまうと事務局の大石さん宅に迷惑がかかるといけないので、談話会の会則のページにある住所の方までお願いいたします。 その後 会費を郵便振替で納入していただけば入会手続き完了です。 それで具合が悪い場合は管理人の古田までご一報ください。
すみません。いってるソバから旧サイトの方が累積転送量オーバーのため見れなくなってしまいました。
当会事務局の住所等につきましては管理者古田治までメールでお訪ね下さい。 アドレスは「furumusi@」以下は「diptera.jp」または「hotmail.com」または「aez.jp」でお願いいたします。
うみぼうず様
毎年11月には双翅目談話会関東同定会を開催しています。 今年は11月20日(土)に栃木県博で予定しております(正式に決まりましたら双翅目談話会からお知らせします)ので、調整が可能ならばぜひいらしてください。双翅目談話会の幹事の面々や専門家の方々も少なからず来ていただける予定です。 ケンセイ@福島の双翅目相は全くの手つかずだと思います |
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