ヤドリバエ科ではないでしょう。理由は翅の前から4番目の脈(翅中央にある小さな暗点の後ろ側から伸びる脈)が先端近くまっすぐで、3番目の脈の方向に強く屈曲しないことが画像から判断されるためです。ヤドリバエ科ではこの脈(M1+2脈)が翅の縁に達する前に角張った状態で強く前の方に屈曲します。このように屈曲する仲間は、ヤドリバエのほかにクロバエ科、ニクバエ科などがありますので、この特徴だけではヤドリバエかどうかは分かりません。もうひとつの特徴は胸の背面の後の半月型の部分(小楯板)の更に下が盛り上がる点ですが、これは普通の写真ではまずわかりません。なお、イエバエ科でもイエバエ属Musca(ムスカ)などでは問題の脈が角ばった屈曲ではなくて湾曲しながら前の方に曲がるものがあるので、注意する必要があります。
写真のハエは恐らくイエバエ科の1種でしょう。 イエバエ科のほかに、M1+2脈がまっすぐのハエにはハナバエ科というのがありますが、両科の違いは翅の一番後ろにある脈が翅の縁に達している(ハナバエ科)か、途中で消えてしまうか(イエバエ科)ですので、これも普通の写真では分かりにくいものです。 なお、ハエ類などについて投稿される場合は、できるだけ詳しい撮影(採集)場所と年月日を付記してください。このような情報が同定の参考になるし、また分布データとして参考になります。
詳しい解説有り難うございます。よく見かけるアシナガハリバエのような歩き方をしていたので、よく調べもせずにヤドリバエだと思っていました。
また、採集情報を追加させて頂きました。これからは気をつけさせていただきます。また宜しくお願いします。 |
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