昨年の12月上旬に東京都世田谷区西部で撮ったハエです。もう薄暗い時刻で気温も下がっており、動きが鈍いと思って油断したら大間違い、背面から撮っただけで逃げられてしまいました。複数居たのでその後2〜3日買い物ついでに探してみましたが、もう2度と見つかりませんでした。
・・・と言う訳で背面からの写真しかありません。しかし、頭部胸部の剛毛配列や脛節端付近に剛毛があることから、シマバエ科で間違いないものと思います。以前、No.5060からのスレッド(生憎消失した部分です)に投稿したシマバエ科のHomoneura属と思しきハエと頭部胸部の剛毛が細部に至るまで殆ど同じ(相違は、単眼剛毛が以前のハエでは前向き平行なのに対し、このハエでは前向きで八の字型に拡がることのみ)なので、Homoneuraかその近縁属の可能性が高いと思います。 他に写真はありませんが、色彩が非常に特徴的なので、何方か御存知の方、居られますでしょうか。 追記:体長は4mm、翅端まで5.5mmです。
アーチャーン様.
Homoneura属と判断なされたなら,論文ナビゲーターCiniiで下記の論文を一度御覧になって見られたらと思います. Sasakawa, 1985, A Revision of the Japanese Species of Homoneura (Homoneura) (Diptera, Lauxaniidae) Part 3 http://nels.nii.ac.jp/els/110003377430.pdf?id=ART0003853773&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1237018249&cp= 今のところ,Homoneura属を一括で検索できるのはこの文献しかなく,この文献以降に日本から記録された種類は記載文などに総当りで調べるしかないようです. Shatalkin(2000)は,記載が全く無いのであまり頼りになりません. 論文ナビゲーターには,この他のグループについてもかなりの論文が公開されているので,結構重宝します.
市毛様、アーチャーン様
CiniiはPDFファイルへの直接リンクは有効ではないので、以下の検索データ表示ページからPDFファイルへのリンクをクリックすれば閲覧できます。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110003377430/
茨城_市毛様、ウミユスリカ様:
論文の御紹介有り難う御座います。 背面からの写真1枚では検索は困難なので、当該論文の1〜3までの記載をザッと見てみましたが、体色が該当する種は見つかりませんでした。しかし、あくまで「ザッと」なので、もう一度キチンと見てみます。 シマバエ科であることは確かと思いますが、Homoneuraである確証はありません(何分にも写真1枚ですから)。別属の可能性も大いにあります。 取り敢えず御礼まで。
アーチャーン様.
偶々,似たような標本を見つけましたが,Protrigonometopus 属かもしれません.
追伸.
Protrigonometopus属は,日本のシマバエ科(エコリス)で2種となっているが,Shatalkin(1999)によるとSasakawa(1998)でP. okinawanusが記載されており,日本産は3種となる.他に東洋区にP. deciptor Mallochが分布していると記されている. 恐らく,北海道〜本州に分布しているのは,Р. maculifronsとР. sexlituris の2種. ・Р. maculifronsは頭部が三角形に近く,触角刺毛は黒色微毛を装い太く見える.顔の中央部に1対の大きな斑紋を備える.日本,北朝鮮,中国に分布.皇居でも確認されている. ・Р. sexlituris は頭部が三角形状ではなく,触角刺毛は肥大しない.顔の両側に1対の小さな斑紋を備え,触角下部と口器上部にも1対の斑紋を備える.沿海地方と日本に分布. 自宅(茨城)で見られるのも,Р. maculifronsのようです.
茨城_市毛様:
御回答有り難う御座います。 触角刺毛は太いですし、東京付近ではProtrigonometopus maculifronsの記録が彼方此方にあるのに対し、P. sexliturisは全く見つかりませんでしたから、P. maculifronsで決まりの様ですね。 脛節端に2本の剛毛が見えるので、エコリスの検索表では、一番最初で間違えてしまいました。 かなり普通種で、しかも晩秋に限られる種ではない様ですから、今後気を付けて、見付けたら顔の写真を撮って確認したいと思います。 標本写真有難う御座いました。 |
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