昨年の1月中旬に東京都世田谷区西部で撮影した虫です。体長は2mmと小さく、葉裏をゴソゴソと歩いていました。マクロレンズで覗いていたときは前肢を触角と間違え、一体何目に属す虫かと思いましたが、平均棍があり、触角が長く、横から見ると頭部胸部がガガンポなどと似ているので、漸く蚊の仲間であることが分かりました。しかし、その先は全くダメでした。翅には毛が生えていて翅脈は良く見えませんし、小さ過ぎて体の細部も分からず、検索が全く出来ません。こちらのサイトの写真も全部見てみましたが、類似した写真は見つかりませんでした。
先日「ユスリカの世界」を買ってみて、どうもユスリカの1種らしいと思い始めました。そこでChironomidaeで外国のサイトを見て回ると、Tanytarsus pallidicornisと言う(http://popgen.unimaas.nl/~jlindsey/commanster/Insects/Flies/SpFlies/Tanytarsus.pallidicornis.html)、添付の写真に全体も翅脈もかなりよく似たユスリカの画像が見つかりました。「ユスリカの世界」に拠ると、ヒゲユスリカ属Tanytarsusは成虫の体長3−5mmとあり、添付の写真の虫よりも大きめです。ヒゲユスリカ属の1種とするのは、単なる絵合わせなので非科学に過ぎますが、ヒゲユスリカ族の1種と考えても宜しいでしょうか。 この虫、冬期は稀でしたが、5月下旬には同種と思われるものが物凄い数いて、草むらを歩くとウンカの如く出て来ました。冬と違い非常に敏捷で、留まるとアッと言う間に葉裏に逃げ込んでしまいます。町内の2個所に多産していましたが、何れも直ぐ近くにかなり水量のある泉があります。 宜敷御教示下さい。
写真からの判定では、ヒゲユスリカ族の一種までしか判りません。5月頃にヒゲユスリカ属は水田脇の水路、溜め池等から非常に沢山出てきます。平地ではこの時期がこの族のピーク期です。残念ながらヒゲユスリカ族には外見では属までは識別するのは困難です。雄生殖器を見れば一瞬で属までは判るのですが。色彩も似たものが沢山います。黄白色のものが殆どです。
エリユスリカ様:
初めまして。早速の御回答有難う御座います。 「何蚊でしょう?」と言う問い合わせは余りにも無責任と思い、この蚊の所属をある程度まで解決することは、昨年の冬からの懸案でした。お陰様で漸くヒゲユスリカ族まで確実に落とす出来ました。 極めて普通でありながら、非常に小型である故にWeb上では写真が見つからないユスリカ類はかなり多いのではないかと思います。今までは敬遠しておりましたが、今後は少しユスリカ類も撮ろうと思っております。 有難う御座いました。今後とも宜敷御願い致します。 |
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