学校のビオトープに深さ約10cm、直径20〜30cmの池(容器に水を入れたもの)があります。中には少量の土や落ち葉があります
(何グラムとか厚さといったことは具体的にはわかりません)。これを池1とします。もう1つ、周囲約30cm×60cm、深さ約20cmの池(衣装ケースを使用)があります。 中には水草と多量のピートモスが入っています。これを池2とします。池1に現れたのはただカの幼虫だけです。冬に凍った池2を探ると カ・ユスリカの幼虫とコミズムシ類が出ました。濁った水だったらハナアブや近い種の幼虫が現れるのではと思うのですが、 何か産卵場所に条件があるのでしょうか。成虫のハナアブ、シマハナアブ、オオハナアブは何度かビオトープの花に来ています。
レスがないので門外漢ですが失礼します。
水深が深いと幼虫の生育環境に適さない可能性が考えられます。 オナガウジの尻尾のような部分は呼吸器官で、この長さは最も伸びたときで15cm(WikipediaでRat-tailed maggotの項)と記載があります。種によって最大長さは異なっていると思いますが、いずれにしろオナガウジが水底に潜んで長くこの呼吸器を伸ばして水面まで届くことが必要ではないかと推察されます。もちろん壁面に張り付き呼吸することも考えられますが安定していないと思います。 池2は水深20cmと記載されていますので、やや深すぎるのかもしれません。 私は、途上国で下水処理施設として使われている酸化安定池(Waste Stabilization Ponds)での蚊の発生防止法として、水深を深く保つことと日陰をつくらないことによって、池が蚊の発生源にならないという文献を読んだことがあります。ボウフラの生育環境で水深が重要な要素だとすると、オナガウジはその形態上、水深が一層問題ではないかと思いました。 なお「蚊」の幼虫(ボウフラ)の生育環境については非常に興味があるので、どなたか水深との関係について文献等の情報があれば教えていたがければ有難く思います。(別に質問すべきですが) もう1つの影響因子として、池の表面積があるかもしれません。ハナアブではないのですが蚊の幼虫の生息環境(=成虫の好む産卵箇所)では、面積が小さい水溜りほど、蚊の幼虫の数が多いという研究結果も見つけました。 http://www.sove.org/Journal%20PDF/December%202003/Lester%20and%20Pike%2003-07.pdf これは、蚊の幼虫の天敵との関係で、天敵の好まない環境に卵を生もうとする行動と関係しているようです。 なお新屋さんのご質問に触発されて、ネットでハナアブの幼虫の情報を探してみたら極めて面白い生物で、私も興味が出てきました。
深すぎなのですか。浮かんでしのぐと思っていましたが這うのみなんですね。
カは面積が小さい方がいるんですね。確かに池2にはわずかにしかいませんでしたし、10cm×10cm、水深10cm未満の 箱にはいっぱい出ました。一般家庭に、そうした浅い濁った水たまりってあるのでしょうか…うちにはないです。
新屋様.
詳しくは判りませんが,岸辺の有無も関係するかも知れません. 自宅の池は,深さ20-25cm程ですが,時折オナガウジがいます.(大概,浅い岸辺に近い場所にいますが,時折深い場所で浮くようにしていることもあります.) 親を観察していると,岸辺をうろうろしていますので,適度な場所で産卵しているのだと思われます. 野外での観察でも,シマハナアブやキョウコシマハナアブ,ナミハナアブは湿地の泥っぽいところで産卵しています. あるいは,親が安定して止まれる場所が必要なのかもれません. 産卵の足場となるだけではなく,幼虫が蛹化するために池を脱出するためにも親が止まれるような爪が引っ掛かる斜面が必要です. なお,カの場合は,直接水に産卵し,蛹から直接空中に飛び出る生活をするので,このような足場は不要なようです.
なぜ少し大き目の池2にはハナアブの幼虫がいないのかを考えてみました。
池2には、ユスリカの幼虫等がいたと報告されています。これらの虫に食われた可能性も考えられます。 ユスリカの幼虫は手元にある"The Chironomidae; The biology and ecology of non-biting midges"を見ると、雑食性で、他の昆虫の幼虫を襲って食べることもあると書いてあります。
池1には岸がないです。2は衣装ケースのふちまでは土に埋まっていないのでヤゴなどは上陸できないと思われます。オナガウジは
ナメクジのように腹ではりつけ…なさそうですね。成虫が産卵するのは近くの土でできるとして、幼虫が水に入ることは できなさそうです。なるほどこれではいけませんね。 ユスリカの幼虫って獰猛なものなんですか!?一般的には有機物とかを食べる感じですが、モンユスリカ亜科は肉食だそうですね。 池2から羽に紋のある成虫は発生しています。また、ボウフラの頭も見つかっています… 調べてみると卵はゼリーに包まれているんですね。水深3〜4cm、水槽の側面(もちろん内側です)にサカマキガイの卵みたいなものが ありましたがユスリカのものかもしれません。泥まゆに入った幼虫を見ていますが珍しいものではないそうです。
新屋様
実は私も似た問題で悩んでいます。 私の場合は蚊です。 庭のテーブルの上に、3つ小さな容器を並べています。 はじめは空でした。そのうち雨が降り、庭の木からは落ち葉が供給され、ひとつの小さな世界が出来上がります。しばらく雨が降らないと干上がることもあります。こんな状態で1年半以上も放置し、どのような生物が発生するのか観察しています。 当然、ボウフラは湧くだろうと期待していたのですが、さっぱりボウフラの発生はありません。庭には蚊がいないわけではありません。むしろ夏などいやになるほど蚊が飛び回っています。しかし、私の観察している小さな容器には全くボウフラが出ないのです。 容器は、白いマグカップ、ジャムの入っていたガラス瓶、いらなくなったお茶碗です。 蜂などの死骸(おぼれたようだ)はありますが、肉眼で見える大きさの生きた生物はこの3つの容器に発生しません。 その理由をあれこれ考えてたのですが、今朝「蚊の不思議」という本を読んでいてp98に「産卵容器に対する嗜好性」という内容が記載されており、容器の色による蚊の産卵の差があるという話が出ていました。 蚊は古タイヤの小さな水たまりにはよく産卵しここが諸外国でマラリヤ蚊や黄熱病の蚊の発生源になったているという話をよく読みます。 確かに、私の庭の容器は白や明るい色ですので、この色の問題があったのかもしれないと、気が付きました。 今度は、黒っぽい色の容器で試してみようと思っています。 新屋さんの問題も産卵場所に対する成虫の嗜好の差が反映されているのかもしれず、色も一つのファクターかもしれません。
池1はビニールで白っぽいし、池2も透明な白ですが、水は黒っぽいです。タイヤの水たまりで増えるというのは
聞いたことがありますが、そんなところで栄養分が足りるとは… 風で飛んできた葉とか死がいとかが栄養源でしょうか。 カなどがどういう条件で産卵するかということは、あまり調べられていないのでしょうか。意外と近くにふしぎがあるものですね。 |
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