同定されたとおりツマグロオオキノコバエLeptomorphus panorpiformis (Matsumura)です.
本種を含むLeptomorphus属の幼虫は,森林内の空中の(地面に落ちていない)太い朽木の下面を覆うように生じる白いカビのような菌類を摂食します.この菌類の表面に口器から分泌する粘液(絹状)で薄膜状のものを張り巡らし,その上を自由に移動できます.摂食と静止以外のときは体の前部を左右に振りながら,この薄膜を強化します.蛹化するときには長さ7-8cmのたるんだ糸をかけてその中央に付着してそのまま蛹化します(糸に平行に位置し,この糸に密着していて,繭は紡ぎません).雄は羽化近い雌の蛹に執着を示して,これにしばしばしがみ付き,雌が羽化すると同時に交尾します.蛹は暗褐色で背面に低い隆起条のある独特のものです.幼虫はかなり細長く,淡褐色で,両端が細く尖って見えます.
以上の行動はLeptomorphus属に一般的にいえることです.湿った森林でこのような白いカビ状の菌類でおおわれた枯れ木または朽木を見たら注意すると発見できます.日本にはL. babaiのほかに2種未記載種がいまして,1種は体が黄色で暗色の斑紋がある美しい種です.
詳細な説明ありがとうございます。
注意すると発見できると言うことは普通種のようですね。今度は生きている画像が撮りたいと思います。大変勉強になりました。