同じ種です。やっぱりこれくらい小さいと、慣れてないので写すのが大変です。
交尾飛翔中のもいました。
ひどい画像でごめんなさい。
素晴らしい一連の写真ですね.雌の腹部が銀色であること,前腿節が紡錘形に肥大すること,雌がホバリング飛翔をしているらしいこと,福岡市近郊でこの時期であること,の4点から,写真の種は間違いなくHilara (Ochtherohilara) mantis Freyです.これまで本種の配偶行動については観察していますが,雌の群飛,交尾写真を見たことはありません.
本種は雄が渓流の水面で主に小形ないし中型のユスリカを求愛餌にして,渓流またはその縁に張り出した樹の枝の直下の群飛空間に運びます.そこには雌が写真のようにホバリング飛翔(ほぼ空間の一点を維持するような飛翔)を続け,個体間の間隔は数センチ以内のことがしばしばです.雄がここに求愛餌をもって雌の下から追飛して交尾し,交尾したペアは群飛から離れてその下やさらに林道上空など50cmから数mの空間で飛翔しながら交尾を続けます.
本種に酷似したやはりOchtherohilara亜属の別種で,雄がコシアキ型,雌の腹部が黒い種があります.これは本州中部での観察では,mantisの雄を専ら渓流水面で狩り,求愛餌にするようですが,群飛や交尾行動は観察されていません.この種は九州でも山地に少数生息していますが,密度は本州中部ほどではありません.
Ochtherohila亜属はアジアー北米隔離分布の群で,日本列島には30種以上生息していますが,その生態はほとんど観察されていません.亜属の特徴は前腿節が肥大し,腹面に小刺を生じ,前脛節の腿・脛関節部の脛節基部が膝状に屈曲すること,しばしば前脛節腹面にナイフ状隆起が生じること,などです.
Hilara (Ochtherohilara) mantis Freyだとのこと。どうもありがとうございます。まさに記述のとおりの群飛でした。
瑞梅寺の上の水無鍾乳洞前の渓流のよどみでムカシトンボの写真を狙っているときに気付きました。よどみに張り出した木の枝陰で吊り下げられたような群飛をしていました。これらは♀の集団なんですか。勉強になりました。
また、別の群れが反対側の木陰でも群れ飛んでおり、その群れの下側の外れぐらいの位置で交尾個体が同様にホバリングしていました。写真を見ると♀も一緒に羽ばたいているようですね。しばらくは集団とつかず離れずで飛んでいましたが、そのうち、いなくなっていました。
静かにしているとよどみにはヤマメの小さいのが時折姿を見せました。
和名を書き忘れました.ギンパラカマミナモオドリバエ(銀腹鎌水面舞蝿--舞は松村松年先生の使用)です.長い和名になりますが,種数が多い属や亜属の和名命名は難儀なことです.鎌脚とした方が語呂がいいのですが,ますます長くなります.
交尾中の飛翔は時には雌がほとんど翅を動かさない種(個体または状況)もあります.今回の写真でも雌の翅のぶれは雄に比べて小さく,また翅の振幅も小さいために雄の翅のように前下方への動きが見られません.恐らく翅を開いて,わずかに動かしているだけかと思います.
なお,求愛給餌型のオドリバエの群飛の性比は「需要供給」の関係で決まるようです.雄の群飛への訪問が少ないと雌がほとんどの群飛集団になります.一方雄が頻繁に求愛餌を持って群飛に飛来し,雌が少ないと,求愛餌を持った雄だけの群飛になります.両性の群飛参加が著しく多いと,両性混合の群飛になります.この状況は地域の個体群密度,時間,餌の供給度などによって同一種でも変化します.
群飛も面白いですね。こちらは、あ、飛んでるぐらいの意識しかありませんでした。次からは、よく観察してみましょう。