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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/08(Fri) 22:47:35 No.4237  引用 
雪の上を走るガガンボと思われるものです。お教え下さい。
2008年2月2日青森県下北半島でとりました。
同時に走っていたメスと思われるものもとりました。2枚目に貼ります。体長は4ミリから5ミリくらいのものです。
走る様子はhttp://snowmelt.exblog.jp/7187392/に動画もあります。クモガタガガンボも近くにおりました。


Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/08(Fri) 22:49:46 No.4238  引用 
上のメスと思われるものです。
走る速度はメスの方が速いように見えます。


Re: これはガガンボでしょうか 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/08(Fri) 23:52:13 No.4239  引用 
達磨さんからそのうちに連絡があると思いますが,これはガガンボダマシ科TrichoceridaeのTrichocera imanishii (Tokunaga)イマニシガガンボダマシだと思います.♂の翅はやや基部が細くなり,♀ではほとんど平均棍のような形に退化しています.
おーやぎさん.多めに採集できたら少し分けてください.アルコール浸け標本も欲しいところです.宜しくお願いします.

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/09(Sat) 21:26:31 No.4240  引用 
アノニモミイアさん、ありがとうございます。
科が異なればガガンボの一種といえばだめでしょうか。許容範囲でしょうか。
ガガンボダマシの一種(今は種までお教えいただきましたが)というのが正しいとは思いますがどうでしょう。
北驫ルの8版しか持っていないのですが、これには カ ガンボダマシ科と書いてありますが、 ガ ガンボダマシでいいのですね。さらに、ガガンボダマシ科のなかに、ニッポンフユガガンボというのがかかれていますがダマシがついていませんね。

いま、オス1、メス3の液浸しかありませんので、明日また出かけます。採れると思いますので、お送りします。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/10(Sun) 00:19:05 No.4241  引用 
呼ばれて飛び出る達磨です。
以前、アノニモミイアさん(本当はさんでなく先生とつけないと気持ちがよくないのですが、、)のもとでガガンボダマシの勉強をしておりました(今もしております)。
写真の虫はTrichocera imanishiiに違いありません。私の知る限り、最北の記録です。
広い意味でガガンボ類といえばこれを含めてもおかしくはありません。でもガガンボダマシの一種とするほうを推奨いたします。カガンボとガガンボ、図鑑の出版された年代などで変わってくるのですが、最近はガガンボのほうが多く使われているようです。わたしはカガンボという表記は使わないようにしています。
ニッポンフユガガンボの和名は私も頭の痛いところです。いずれもガガンボダマシ科に属すのですが、Trichocera属をガガンボダマシ、Paracladura属をフユガガンボと呼んでいるのです。語幹をそろえたほうが気持ちがいいのですが、サビキコリはコメツキムシ科、オオムラサキはタテハチョウ科、ツクツクボウシはセミ科なわけですから、そういうものだと覚えることにしましょう。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/10(Sun) 01:14:49 No.4244  引用 
和名というのは時折ややこしいことがあります.

1.先ずカガンボとガガンボです.松村松年先生は例えば昆虫分類学(1915)から日本昆虫大図鑑(1931)まで一貫してガガンボを使い,徳永雅明先生は日本動物分類(1939)や原色昆虫大図鑑第三巻(1965)ではカガンボ,日本昆虫図鑑(1957)ではガガンボを使い,同じく江崎悌三先生は日本昆虫図鑑(1957)ではガガンボを使い,高橋三雄氏は原色昆虫大図鑑第三巻(1965)〔上記徳永先生のと同書〕ではガガンボを,伊藤修四郎先生は原色日本昆虫図鑑(保育社,1977)ではカガンボを使っています.このように,カガンボとガガンボは同じような頻度で使われ,時には同人が両語を使っています.語義は「蚊の母」と聞いておりまして,「蚊がん母」となり,本来の仮名表記はカガンボでしょうが,第2音のガに第1音が引かれて濁音になり,その結果ガガンボになったものと思います.近刊の新訂原色昆虫大図鑑第三巻では改訂者中村剛之氏が全てガガンボに統一しています.語源に忠実であればカガンボ,転用されて一般的なのはガガンボということになります.ガガンボの漢字は大蚊で,もちろんこれは当て字です.ガガンボダマシ科には偽大蚊が用いられています.中国でもガガンボには大蚊を用いています.

2.伝統的なガガンボ科Tipulidaeは現在は4科に分割されていますが,これらはいずれもガガンボ上科Tipuloideaに含められる単系統群(単一祖先から分化した全ての子孫のみを含む群)です.しかしガガンボダマシ科Trichoceridaeはこのガガンボ上科とは全く類縁が異なる昆虫群でして,ガガンボ上科の姉妹群でさえもありません.ガガンボ上科とガガンボダマシ科は共に真のA1脈(伝統的なA2脈)を具えることで共通性がありますが,ガガンボダマシ科には単眼があり,また幼虫の構造,特に頭部の形態がガガンボ上科のそれと全く異なっています.ニセヒメガガンボ科,コシボソガガンボ科もそれぞれガガンボ上科やガガンボダマシ科とは類縁が離れた科ですが,それらの概観からガガンボの名称が和名の語幹になっています.

3.上記のような事情にも拘わらず,ガガンボダマシ科のなかで,日本産の2属のうち,Trichocera属にガガンボダマシを用い,付節の第1小節が著しく短縮したParacladura属にフユガガンボを用いています.後者だけが特に冬季(晩秋から早春)に成虫が現われるということではなくて,前者の成虫も主に冬季に出現します.季節的に成虫の発生期が両属で異なると言うことではないので,フユガガンボの名称はその性質から考えるとナンセンスです.ただTrichoceridaeは英名ではwinter crane flyで訳せばもちろん文字通りフユガガンボ(冬鶴蝿)です.このような和名の状況なので混乱を避けるためには,Paracladuraの和名の語幹をガガンボとするのはやめて,私流にいえばPracladuraはヒメガガンボダマシあるいはホソガガンボダマシとでも言ったほうがよさそうです.ただし,Trichocera属にもチビカガンボダマシTrichocera minuta Tokunagaという種がありますので,体の大きさだけで両属を分けるような和名を用いるのも錯綜します.

4.その上さらにややこしいのは,Trichocera imanishii (Tokunaga)イマニシガガンボダマシとParacladura imanishii Tokunagaイマニシフユガガンボがあります.両属に種名のimanishiiが用いられ,命名者Tokunagaは同一で,両種にはさらに和名接頭語イマニシが用いられていることです.

5.もう一つ混同しやすいのは,Trichocera属のT. hiemalis De Geerに対して,フユガガンボダマシの和名があることです.これはParacladura属フユガガンボ属と間違えやすいですね.Paracladuraに類似していると言う意味のダマシではなくて,種名からの直訳でしょう.種名hiemalisはもちろん「冬の」の意味の形容詞です.

6.以上ですから,今回のTrichocera imanishiiイマニシガガンボダマシをガガンボの1種というのは正しくなくて,ガガンボダマシ(科)またはガガンボダマシ属の1種が正しいことになります.しかし,Trichocera属のほかの種は雌雄とも良く発達した翅を具えて飛翔しますので,本種をガガンボダマシ属の1種と呼ぶのは正しいとは言え,そのように呼ぶことで本属全体が押しなべてこのように翅が退化した昆虫であるかのごとき印象を与えなければ,と気がかりではあります.本種の形態と行動はTrichocera属の中でも特異ですから,やはりイマニシガガンボダマシと種の和名で本種を紹介されるほうが適切ではないかと思います.本種に対しては,以前Alexanderによって,その特異な翅(♂の翅脈の退化と翅形の変形,雌の退化翅)の形態を根拠にしてKawasemyia属が創設されたこともあります.

標本につきましてはお手数をおかけしますが宜しくお願いします.

達磨さんからのコメントを期待しています.

追記:これを書いているうちに達磨さんの指摘がありましたね.ご苦労様です.

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/10(Sun) 22:33:51 No.4246 ホームページ  引用 
達磨さん、アノニモミイアさん、本当にありがとうございます。プリントアウトしてよくよく読解したいと思います。
最北の記録とありますが、今日、この写真の場所にはみあたらなくて、さらに北10キロぐらいのところで、十数匹とれました。うちメスは二匹でした。アノニモミイアさん、お送りします。
ところで、写真メスのほうの産卵管らしいものは、とがっているのとそうでないのがありますが、とがっていないのは交尾後のなにかでしょうか。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/10(Sun) 23:50:13 No.4247  引用 
詳しい、解説ありがとうございます。
そもそも松村松年先生がこの仲間の和名が付けられたころはそれまで名無しだった様々なグループに(図鑑の出版の都合)大急ぎで和名を付けなくてはいけなかったと想像できます。ガガンボ型類(ガガンボの形をした虫たちという意味、今即興で作った言葉、ガガンボ科の近縁でないグループも含みますので誤解のないように願います)をみても四苦八苦している様子が見て取れます。ガガンボ科の中にナミガタガガンボモドキという和名を持つものがいたり(ガガンボモドキという和名はご存知のように長翅目の一群の和名として使われていますね)、ちょっと後ですがTanyderidaeにガガンボダマシ科という和名が付けられたり(これは後にニセヒメガガンボと言う和名に変えられています)など。ガガンボ型類の科に用いられている和名を挙げるとガガンボモドキ(長翅目)、ガガンボ、シリブトガガンボ、ヒメガガンボ、オビヒメガガンボ、ニセヒメガガンボ、コシボソガガンボ、ガガンボダマシ。正しい知識のない人には混乱のもとのように思えます。その上、頭が痛いことに、こうした科名を種の和名の語幹とすると、どんどん和名が長くなってゆきます。コゲチャトゲフチオオウスバカミキリとかオガサワラチビヒョウタンヒゲナガゾウムシ、ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウのような長い名前はできれば避けたい。何とかしたいところです。

キリギリスの仲間のカヤ「キリ」、ヒメ「ギス」のようにタケウチ「ンボ」とかカンキツ「ガボ」とかって名前にできないものでしょうかね・・・いや、これは冗談。

>写真メスのほうの産卵管らしいものは、とがっているのとそうでないのがあります
産卵管の先に何かくっついていませんか?毒ビンの中で産卵し、卵を産卵管にはさんだまま標本になるなんてこともよくあります。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/11(Mon) 00:26:45 No.4248 ホームページ  引用 
達磨さん、ありがとうございます。
>産卵管の先に何かくっついていませんか?毒ビンの中で産卵し、卵を産卵管にはさんだまま標本になるなんてこともよくあります。

いま、走っている時の動画を確認しましたが、雪上で見たときからすでに膨らんで(くっついて?)います。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/16(Sat) 13:20:28 No.4292  引用 
おーやぎさんから標本を送っていただいて,雌の腹の先を顕微鏡でみたところ,膨らんでいる個体は,どういう原因か分りませんが,羽化の時の蛹の産卵管のクチクラが折れて,成虫の産卵管の先に付着したままになっていたようです.雌はそれでも産卵しようとしたのか,産卵管の間に1個の卵が挟まれていました.恐らく羽化したときに産卵管の部分が蛹殻から抜けないので,腹部全体の蛹殻を成虫の腹部につけたまま(頭部や胸部は先に脱げるので)走っているうちに,密着している産卵管の先の脱皮殻だけが成虫の産卵管についてままで,他の部分が破れて落ちたのではないかと,そのいきさつを推定しています.

時々腹の先に蛹の脱皮殻をつけたオドリバエなどが採集されることがあります.今回のガガンボダマシも羽化後は同じような状態だったのでしょう.

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