「みんなで作る双翅目Web図鑑」でCarnidaeの科の和名がチスイコバエ科となっており,Carnus hemapterusの種の和名が「和名なし」となっています.
本種の日本新記録の岩佐光啓他の論文では,和文摘要のタイトルに「人の外耳道から見出された日本新記録のCarnus hemapterus Nitzschトリチスイコバエ(双翅目,チビコバエ科)」となっています. これに基づくと,最初(?)に提唱された和名がチビコバエ科であり,種の和名はトリチスイコバエとなります. そこで,どなたかご存知の方がいたら教えて頂きたいのですが,「図鑑」にあるチスイコバエ科というのは,もともとどなたがどの文献で提唱された科名でしょうか. 私見では,岩佐他の提唱されたチビコバエ科はminuteないしsmallがダブっていて,やや難点があります.チスイコバエ科の方がどちらかといえば,性質や種の和名との整合性も良いように思っています. 宜しくお願いします.
すみません・・(大汗)・・なおさにゃいかんいかんと思いつつ、ついつい今日までほって置いてしまいました。張本人です。
2003年5月に当BBSに投稿された不明種の♀個体の画像に本種があり、そのときに感染症研の林先生にCarnus hemapterusの可能性をご教示いただいたのですが、腹背板の幅が広く感じられたことと、同時に得られた♂個体がそれまでに公開されていたC.hemapterusuの腹部の様子とは膜質部がほとんど見えず、かなり異なって見えたので、そのときはCarnus sp.として表示をしていました。(この個体は現在は岩佐先生の詳細な検討の結果C.hemapterusであることが判明しています。)そのときに何を勘違いしたか科名をチスイコバエとして表示してしまいました。(多分、初記録の報告の和文摘要や本文の科和名(ローマ字表記)をよく読まずに、属名のchisui-kobae-zoku と種和名ローマ字表記のtori-chisui-kobaeのからチスイコバエをとって科名として表示してしまったのだと思います。) ですから現状では科和名の公式な取り扱いは「チビコバエ科」が正しいのですが・・なんとなく・・「チスイコバエ科」の方が響きも、印象も良く、また一般の人に話をするのにも理解を得やすいように感じられて、ネットに表示した後もそのままになってしまってました。(すみませんWeb図鑑の方は近々修正します・・今は締め切り地獄なので・・・近々ということで・・)
ハエ男さん有難うございました.和名などの由来がはっきりしました.
ところで,私見ではチビコバエ科は: 1.名称の意味が字句通り大変小さいコバエとなり,前便の通り,英文にすればもっとはっきりするのですがminute small flyとなり,体長1.3mmというのは確か小さいのですが,小さいを連発するほどのことでもないと思います.コバエを小形のAcalyptrataeの一般名と考えれば,チビコバエもまあまあというところでしょう.いずれにしても類似形容詞を2重に使うのはどうかと思います.「昔の武士の侍の」の類もありますから. 2.生態的な側面がこの名称では全く出ていません.これは必ずしもこだわる点ではないかもしれませんが. 3.本科はわずかの種しか擁しておらず,その代表的種であるC. hemapterus(科の模式属の模式種)にトリチスイコバエの和名が付けられていることを考慮すると,科の名称と種の名称の語幹部分は一致した方が好ましい. という理由で,私としてはハエ男さんがたまたま使われたチスイコバエ科を今後も使いたいと思います.今後の図鑑や目録でもこの名称が使われるように啓蒙・努力を行いたいと思いますので,ご意見がある方はお寄せ下さい.
Carnidaeは小さな科で、九大目録にも出ていない科なのですが、世界に広く分布しており、日本では北海道で、人の外耳に入り込んだ症例分析の結果、初記録となりました。その後、当方BBSの画像にもある長野県白馬村からの1♂♀の記録と、広島県三原からの記録が追加されており、これまでにアカゲラ、ハシボソガラス、ブッポウソウの3種より得られています。
樹洞性、非樹洞性の鳥、双方から発見されていること、これまでの記録地が北海道から長野県、広島県であることから、結構広く分布しているのではないかと考えられます。 ノミ、シラミ、シラミバエ、に続く、第4の鳥寄生性の吸血昆虫(成虫)なので、今後の発見を期待しています。(寄主に取り付くと、翅を落ちてしまうので・・翅のあるやつが見たいのです・・) とりあえず、私としても、チスイコバエという名前はかっこいいと思ってはいるのですが、岩佐先生にも相談しないとなあ・・・
チスイコバエ科に決めて作業を進めます.
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