同,交尾器付近です.
同定されたとおりRhamphomyia japonica Freyです.本種はDie FlietenではCollinariaに含めていますが(原記載でも同様),この亜属の模式種とはまったく別の群で,R. arakawae MatsumuraやR. calcarifera Saigusaなどと共にRhamphomyia属の中でも特異な1群を構成しています.特に♂交尾器の挿入器がテープ状に細く扁平になっている点とメスの腹端がほとんど裁断状で,第9腹節が極めて短く,尾角も短い点です.この群は東アジア-北米型隔離分布をするものでして,日本列島には上記のほかに後4種ほど未記載種が棲息しています.R. japonicaは翅がガラス様透明で,基部が黄色味を帯びる点で他の種から簡単に識別できます.
なお,本種は函館の♂に基づいて記載され,記載文はよく写真の標本の種と一致し,また後にDie Fliegenに図示された♂交尾器の図もほぼこの種の交尾器に合致します.しかし,holotypeを見ていないのと,北海道の標本を持たないので、同定に一抹の不安はあります.道南で早春に採集してみれば本種が函館周辺にいるかどうかわかるのですが.
アノニモミイア様.
毎回詳細に回答して頂きありがとうございます.
今後ともよろしくお願い致します.