O-jiro様。
シバカワコガシラアブについては、私は茨城〜埼玉以北の記録を見たことがありません。
コガシラアブ科については、2つの亜科が日本に分布しており、それぞれが似たような体型の集まりです。
写真のコガシラアブはAcrocerinae亜科の1種です。
(現在では、Acrocerinae亜科は触角の形でAcrocerinae亜科とPanopinae亜科に分けるようです.)
Acrocerinae亜科では、北海道からヨコスジコガシラアブ Ogcodes nigritarsisとPterodontia ezoensisの2種が記録されています。
Ogcodes属は触角が口器の上にありますので、写真のコガシラアブとは異なると思います。
Pterodontia属は、現在Panopinae亜科に含まれています。
Pterodontia ezoensisについては、全く資料がありません。
何となく、左側の触角が太いように見えるのですが、触角の形がわかる写真はありませんか?
なお、シバカワコガシラアブは図鑑などで青黒いとされているのですが、時に写真のような茶色〜黒の個体が採れるようです。精査したことが無いので同種かどうかは判りません。
追記。
日本昆虫図鑑(1950)に、キイロコガシラアブとヨコスジコガシラアブが図示されています。
また、竹内吉蔵による小頭虻雑記(1955)にも色々と記されてます。
・キイロコガシラアブ Ogcodes shirakii(=Oncodes trifasciatus)
体は黄色で胸背に3黒条と腹背に若干の小斑紋がある。
原産地は山口県。京都にも産する。
・エゾコガシラアブ Pterodontia ezoensis
北海道定山渓採集。
体は光沢のある黒色、腹部末端と腹面及び脚の脛、付節が黄色。
・クロセダカコガシラアブ Philopota sp.
普通のセダカコガシラアブとは、全体黒色で光沢無く、翅が著しく暗色を帯びる。兵庫県採集
従って、写真のコガシラアブは、シバカワコガシラアブに似ていますが、エゾコガシラアブの可能性もあると思います。
Web上のシバカワの写真を調べてみると、茶色っぽい個体ばかりなので、茨城産のシバカワコガシラアブの写真を貼っておきます。
市毛様
詳細に教えていただきありがとうございます。
エゾコガシラアブというのも居るのですね。
写真は上のアングルでしか撮ってなかったので、
標本にしてから撮影し直したいと思います。
よろしくお願いいたします。
市毛様
壊しそうで標本に出来なかったので(一部フセツが取れちゃいましたが・・・)、現状で撮影してみました。
体色は全体青黒く見え、触角第3節は細いです。
脚と口吻は黄色です。その他の特徴も「シバカワ」っぽく見えます。
以上、鮮明ではありませんが写真を貼りたいと思います。
よろしくお願いいたします。
O-jiro様。
確かに下側を見てみても、シバカワコガシラアブと色調が異なる場所はありませんね。触角も同じとなると、シバカワコガシラアブの可能性が高いと思います。
残念ながら、あまりコガシラアブは調べたことが無いので、写真を見てのこれ以上のアドバイスは出来ません。
御容赦願います m(__)m
市毛様
今回はいろいろとご教示 ありがとうございました。
北海道の虫はまだまだ調べられてないのが多いのですね。
こちらでいろいろな虫を採っていると、度々思います。
これからも勉強させて頂きます。今後ともよろしくお願いします。