こんにちは
満開のオオバエゴノキに来るハナアブを狙っていたら、変な動きのドロバチ?がいたので採ってみると、メバエでした。 なかなか同定できない種が多いのですが、これは北隆館に載っているムネグロメバエ Conops (Asiconops) opimus Coquillett,1898でした。 うれしかったので載せちゃいます。 この巨大な腹部の突起は、何に使うんでしょうね。
メバエ、かっこいいですね。その割には図鑑以外の同定ツールがないのが残念です。あまり採集する機会がありません。最近入手したメバエの重要文献を挙げておきます。
(1)前田泰生,2006,島根県産メバエ類の採集記録,すかしば,(54):1-6,[日本産リスト31種。島根県産15種] (2)Tanaka, A.(田中梓),1960,The List of Conopidae of Japan,神戸山手女子短期大学紀要,(5):17-24,[19種] (3)Maeta, Y. & Macfarlane, R. P.,1993,Japanese Conopidae (Diptera) : their biology, overall distribution, and role as parasites of bumble bees (Hymenoptera, Apidae),Jap. J. Ent.61(3):493-509 (4)Smith, K.,1969,Handbook for the identification of British insects, Diptera Conopidae,,18pp. メバエはハチに寄生しますが、なんと飛んでるハチの腹部に直接産卵するのだそうです。したがって宿主のハチがいるところでないとなかなか得がたい、とのことです。 「神戸山手女子短期大学紀要」ってなんでこんな雑誌にメバエの論文がのっているのだ。「田中 梓」さんって何者でしょうか?
こんな絵解き検索のHPもあります。
http:@@home.hccnet.nl@mp.van.veen@conopidae@index.html URLを記入すると迷惑投稿としてはねられてしまうみたいですね。 @を/に置き換えてお使いください。同じHP内にハナアブやシギアブの絵解き検索もあります。
URLの投稿は出来るように設定してあるので、2件までは書き込めるはずです。
3件以上あると拒否されちゃうようになってるはずです。 あとメバエ科の文献としては中国蝿類にも一応日本との共通種は出ています。(ただし絵はきれいじゃないから絵合わせは注意が必要ですが・・)
TKM事務局様。
先ほど調べましたら、投稿したURLがオランダだったので、スパムフィルターに引っかかっていました。 ハエ男さんと対応を協議します。
TKM事務局様。
メバエは、前田さんの1993年の報文と2006年の目録とで学名の変更がいくつか有りましたが、詳細がわからないので困ったものです。 参考になる文献としては、 Zimina L. V.(2000) A Key to Parasitic Flies of the Family Conopidae (Diptera) from Middle Asia, Ent. Rev. 80(3) が役立つと思います。 また、 Stuke, J.-H. (2002) Eine neue Myopa-Art aus Japan (Diptera: Conopidae). Studia dipterologica 9(2):413-419 も外せません。 http://www.schwebfliegen.de/sonderdrucke/stuke/maetai.pdf 田中さんについては知りませんが、長崎女子短大紀要にもI氏のハナアブ関連の報文が載っていますよ。 (短大紀要でシノニム処置はしないでほしかった;^_^) 昔から、高校や大学の紀要で記載する人がいますが、入手困難なのが結構ありますね。
田中梓さんは台湾で青木朗さんと共に双翅類の研究をされていて,戦後引き上げられて神戸山手女子短期大学の教授になられた先生です.私もお会いしたことがあり,大変温厚な人柄の方でした.先生のコレクションはすべて兵庫県立人と自然の博物館に寄贈されて,整理されています.青木さんは北隆館の日本昆虫図鑑(一巻の厚い黒白の本)のオドリバエ科,アシナガバエ科,ツリアブ科,シギアブ科,ムシヒキアブ科などを素木先生と分担執筆されています.田中,青木両先生のことについて台湾大学の朱先生が著された台湾昆虫学史話の関連ページをpdfで添付してあります.
大学の紀要で記載するのは過去も現在も,印刷事情を含めてやむをえないところがあるのではないでしょうか.Insecta Matsumurana, 台北帝国大学理農学部紀要,Esakiaをはじめ,大阪府大農学部昆虫学出版,京都府大学術報告農学,Sieboldiaなど我が国でも多くの分類学上の新分類単位の記載が大学の紀要で行われてきたし,現在も行われています.この点は外国でも同様で,California大学を例にとっても膨大な文献が総説も含めてこれまで出版されています.これ以外ということになると,学会誌と博物館の紀要が主要な新分類単位の発表媒体になっています.ただ,研究業績の評価という点からは,紀要の多くが論文の査読制をとっていないので,特に若い研究者は査読のある学会誌に投稿する傾向が最近は強くなっています. 市毛さんが言われるように,言葉はよくないのですがマイナーな大学の紀要は確かに入手が困難で,大学自体がなくなっている事さえあります.北上四郎先生がお亡くなりになる前に出版されたアミカの最後の総説も終戦直後の印刷事情が極めて悪い1950年に熊本女子大学学術紀要に発表されています.この大学は1947年(白水先生が湯浅啓温先生が疎開先の伊那谷で採集されてクロミドリシジミを記載された年)に熊本女子専門学校として開学されたもので,現在の熊本県立大学です.この総説の入手もおそらく簡単ではないでしょう.今はほとんど死語になっている粗末な藁半紙に印刷されており,酸性紙のためにぼろぼろになりつつあります. たとえ著名な紀要でなくても,それがZoological RecordsやCurrent Contentsなどのレビュー誌の発行元に届けられていれば,シノニムの発表も含めて知ることができるのですが.Zool. Rec.に載っていないとなると,結局その当時は無視されても致し方ないことになります. 中国の地方のフォーナの調査報告書などには新種の記載がかなりでていますが,無視されているものもあります. 添付:3497.pdf (89KB) |
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