ノミバエ科の専門家の中山裕人博士にお尋ねしましたら次のようなご返事をいただきましたので,せっかくですからここに転載させていただきました.中山博士ありがとうございました.
冬に出るノミバエでtibiaに独立剛毛があるものは殆どTriphleba属の種ですが、これは体表面が独特の光沢を持っており(Triphlebaは褐色)、Spiniphora属の種の可能性が高いものと思われます。ちょうどオス交尾器が脚でかくれていますが、Triphlebaでは通常左surstylusが後方にかなり伸長し、突出するので、目立ちますが、Spiniphoraでは左surstylusが下方に伸長するため、あまり目立ちません。 Triphlebaは細長い体形をしており、冬を中心に現れますが、Spiniphoraは殆どの種が夏に現れ、ごく一部の種のみが冬に現れます。夏に現れるSpiniphoraはずんぐりしていますが、冬に現れる種は細長く、まるでTriphlebaのようですしかし、オス交尾器は夏に現れるSpiniphoraとまったく同じです。Spiniphora属の幼虫はカタツムリの死体で飼育された記録がありますが、夏に出る種の成虫は腐肉トラップでも採れ ます。冬に出現するSpiniphoraは日本ではまったく研究されていませんので写真の種も未記載種か日本未記録種となります。
アノニモミイア様、中山様、ありがとうございます。
御指摘のように、左surstylusが伸びていますので、Spiniphora属のようです。 わざわざ、中山博士に問合せて頂きありがとうございました。
一般に日本産の昆虫の種数は良く解明されている英国の種数の約3倍といわれています.チョウが約70種に対して210種とか,オドリバエ科の360種に対しておそらく1200種とかの概算ができます.ノミバエ科は英国に約300種ですから,日本には1000種くらい棲息しているのではないでしょうか.英国の300種のうち200種がMegaselia属といわれていますから,日本には600種くらいMegaseliaが棲息しているのではないでしょうか.Megaseliaはさまざまな生態をしていますので,それだけ多様化しているのでしょう.市毛さんの「どのぐらい生息している予想なのでしょうか?」の答えに十分にはなっていませんが.
アノニモミイア様。
英国の3倍が大凡の目安なのですね。 各グルーブがそれだけ多様ならば、研究者も3倍以上必要と思われますので、大幅に増員してくれると良いのですが(^_^;) ありがとうございました。 |
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