確かに似てる部分はありますね。ただ前交尾鉤の先端の形状がかなり太めなのが気になります。(中国蝿類と中国常見蝿類検索表の図ではここまで太くないと思います。)
中国蝿類には♂ゲニの後方からの図があるのですが、これと比べてどうなんでしょうか?
ハエ男様、コメントありがとうございます。
引越し後未だに文献類が大量に段ボールに入っていることと仕事の締切りが立て込んでいることから私はまったく中国蠅類の確認が全くできません。4月くらいには何とか確認したいと思います。
取り急ぎ(あと締切り3本!!!)
ハエ男さん、どうもです。
Sarcotachinella sinuataのゲニ図確認しました。
確かに非常に良く似ていますが、やはり実物での
比較をしないと何とも言えませんね。
ということで、いずれハエ男さんやウミさんが
実物の標本か画像を入手することを期待しています。
ケンセイ@ニクバエは他力本願
昨日の双翅目談話会の時にもお話したように、1年半ほど前にネット掲示板「むし@ふたば」で匿名投稿者から、北海道でSarcotachinella sinuataを採集したという発言があった時から、このニクバエのことは気にしていました。Papeのリストの分布情報から、日本に隣接した極東ロシアにも分布していますから、当然、ハエ男さんと私の共著の「ニクバエ指名手配書」にもリストアップされています。
まず、SarcotachinellaはPapeのリストによると、世界で1種しか記載されていません。つまり、S. sinuataですね。さらに、Papeがスカンジナビア3国のニクバエについてまとめた"The Sarcophagidae (Diptera) of Fennoscandia and Denmark"によると、形態記載で大変興味深いことが書いてあります。
"Easily recognised in both sexes by the distinct golden hairs on mid femur."
「雄でも雌でも、中腿節にすごくはっきりした金髪が生えてるから、簡単に同定できるよ〜。」
なんと、ハエ男さんごひいきの、金髪のハエだったのですよ。
マジっすか・・・それはぜひ、現物を拝まねば・・・
それはそうと、ウミ様・・昨日はご苦労様でした。
ハエ男さんも、ケンセイさんもお疲れ様でした。
Sarcotachinellaについて追加情報を紹介します。
まず、S. sineataのシノニムリストですが、
Sarcophaga sinuata Meigen, 1826(原記載産地ドイツ?)
Sarcophaga arvorum Meigen, 1826(原記載産地ドイツ?)
Sarcotachinella intermedia Townsend, 1892(原記載産地アメリカ合衆国イリノイ州)
Sarcophaga bezzii Corti, 1897(原記載産地イタリア パヴィア)
となります。
Meigenが同じ著作で、別種として報告してあるのが気になりますねぇ。個体変異が大きいんでしょうか?
Sarcotachinella属はTownsentが1892年に、intermediaを記載したときに設けていますが、それとは別に1928年にEnderleinが、sinuataに対してArhopocnemis属を設けています。
分布は西はブリテン諸島から、東は北米大陸一円までと、全北区一円。
属の形態ですが、
♂♀ともに
後背中剛毛は3対
中腿節に金色の毛が生える
腹部第3背板に1対のmedian marginal bristleがある
♂のみ
後転節の腹側中央に、短く頑丈な剛毛がある
第5腹板の両腕内側に強い剛毛が、先端に長い毛がある
生殖節は黒色
狭子には亜先端部に、いくつかの短い棘様の剛毛がある
aedegusには大きな3葉のvesicaが付属し、harpesは扁平で横断方向に向く
古田様、ウミ様、総会はお疲れさまでした。
やっと年度末地獄から抜け出しました(^^;;;;;
Sarcotachinella sinuataの情報ありがとうございます。
さっそく採集者に伝えて見てもらうようにします。
取り急ぎ
ケンセイ@中腿節の金色の毛はすごくわかりやすいですね