腹部の紋のイメージからするとショウジョウバエ科のモンコガネショウジョウバエ Leucophenga maculataにも似てると思います。(ただし、第5腹節の側方の紋が少し短めのようなので、大当たりではないかも・・あと胸部の白スジが・・・気になりますが、岡田1988の検索では胸部の白スジの記述は出てこないようです。)
ハエ男様。
さすがですね。一枚の写真で、そこまで解りますか。
自分で調べたところ、Leucophenga soriiかなと思うのですが、如何でしょうか?
腹部の画像を送ります。
胸背部が白く綺麗なので採ってきました。
角度を変えると色が変わります。
古い岡田のモノグラフの見てましたらLeucophenga argentosa・シロコガネショウジョウバエの♀なのではないかとおもえてきました。(Large silvery shining speciesってあるし・・)
こいつは♂と♀で斑紋がちがうようで、1988の斑紋の記述だと♀にはあてはまりませんが、古いほうの記述(こちらは♂と♀が別になってる)では中央の紋(スジ)があり、横にもそれぞれの節に黒紋があるとなっています。(ただし、その紋の大きさについての記述は無い)
他の同属において、体色がsilvery shining という記述はないようなので、とりあえず、シロコガネショウジョウバエLeucophenga argentosaということではいかがでしょうか?
あと和名の取り扱いが昔とは変わってるみたいで、古いモノグラフで、L. argentosaにはローマ字でShirogane-shojobaeと和名が与えられていますが、現時点ではL. argentosaにはシロコガネショウジョウバエの和名があたえられており、シロガネショウジョウバエは別属の和名として与えられています。
これまでずっと見ていたのですが初めて投稿させて頂きます。宜しくお願い致します。
まず、上記内容の訂正ですが、岡田(1988)によると
シロコガネショウジョウバエ Leucophenga argentata
分布:琉球〜東南アジア〜オーストラリア
シロガネショウジョウバエ Palaleucophenga invicta(Leucophenga argentosaのシノニム)
分布:本州〜東南アジア
となっております。
写真の種は、見たこと無いのではっきりとは分からないのですが、腹部の模様と論文を絵合わせしてみると モンコガネショウジョウバエLeucophenga maculataが近いような気がします。この種は日本〜中国〜ヨーロッパまで広く分布し、腹部の模様は地域変異が大きいみたいです。これらの種は解剖して交尾器を見ないと同定は難しいかもしれません。
ちなみにLeucophenga soriiは腹部の模様がもっと細く、つながっているみたいです(これも見たこと無いのですが…)。分布は北海道、韓国となっています。
猩々様、はじめまして。
もう一度少しだけ調べ直してみました。
埼玉県昆虫誌を見るとL. soriiが記録されています。
極東産昆虫の検索のDrosophilidaeを調べて見ると、Dr.SidorenkoもOkada同様、腹部背板の斑紋を中心に検索表を作っています。
この本に、L. soriiの腹部斑紋が図示されていましたが、猩々様が言うように、もっと細い斑紋でした。
また、この本にもL. maculataの腹部斑紋が図示(Fig.130-3)されているのですが、岡田(1988)のFig. 5とは別の斑紋が書かれています/(-_-)ヽ こまった〜
せめて岡田の論文だけでも、もっと集めないと解らないようですね。
ありがとうございました。
Leucophenga sorii, L. maculataの斑紋は今回は
以下の3つの論文を参考にしました。
文献を書いていませんでしたね。参考までに。
Kang et al. (1965) Annotationes Zoologicae Japonenses 38(2): 97-100
Okada (1990) Japanese Journal of Entomology 58(3): 555-562
Watabe et al. (1993) Japanese Journal of Entomology 61(3): 525-545
茨城@市毛様、「極東産昆虫の検索」とはどのようなものなのでしょうか、お教え頂ければ幸いです。
猩々様。
双翅目談話会の人には身近な文献なので、タイトルを省略して書いてしまいましたね。
正確には、
Keys to the insects of the Far East of Russia, Vol. 6, Part 2: Diptera and Siphonaptera (第2巻は2001年発行でした。)
現在第3巻まで発行されています。
タイトルのとおり各科の検索表が載っている本です。新種記載も多数されています。ロシア語なので少々辛いですが、結構分類屋は読んでいますね。
茨城@市毛 様
ありがとうございます。
ロシア語ですか・・・英語でさえ苦手なのですが。
一度、探してみます。
おっと、どうやら、Palaleucophenga属移行の情報について、勘違いしてたみたいです。すみません。
これからもショウジョウバエ情報よろしくお願いします。
ロシア語の本・・・(極東ロシアの双翅目・・露語)ですね。ワシも一応持ってますが、幼児並に、絵を見るのと、読める字だけ拾って読んでます・・・学名は英語(アルファベットなので・・)
いばれませんが、ワシも英語は大の苦手です。辞書とライブドア翻訳サイトがないと英語の書き込みには対応しきれません・・・でも、露語の本を見ると英語って、なんて楽なんだろうって思います。