ようこそ平群庵さん。
まず、ハエ類の同定というのは体の各部の刺毛、剛毛の並び方や♂交尾器などを見ないと正確には出来ないということをご了承下さい。(あとは、手元にある資料との絵合わせでの判定になりますので、精度にはかけてしまいます。) イエバエ科のGraphomya属であることは間違いないと思います。 本属は2種が記録されてますが、キーになる場所が良く見えないので、正確ではないですが、雰囲気はG.rufitibia ヒメセマダライエバエに良く似ていると思います。
さっそく教えていただきありがとうございます。
Graphomya属であること、2種記録があると言うことでネット検索しましたところ、自分の撮った写真の中にG.maculataと思われるハエもありました。添付写真はG.maculataでよろしいでしょうか。 それと、調べているうちに気がついた事なのですが、ネットに登場する和名と学名のスペルが微妙に違うのです。例えば次のサイトの記述です。 東京昆虫目録(TKM) ●イエバエ科 Muscidae 275. セマダラハナバエ Graphomyia maculata −・−・里・−・ 276. ヒメセマダライエバエ Graphomyia rufitibia 皇・自・−・ 福井県みどりのデータバンク イエバエ科 Muscidae 392 セマダラハナバエ Graphomya maculata(Scopoli) − − 393 ヒメセマダラハナバエ Graphomya rufitibia(Stein) − − これらは、どちらでも良いのでしょうか、それとも最新の名称はこうだと学会で決められたものがあるのでしょうか。重箱の隅のような事でしょうがネット検索ではかなり重要でして。
はじめまして。市毛と申します。
これは困ったことですね。 某先生が、報告毎に2つのつづりを使っています。 どちらも引用の間違いではありません。 TKMは2000年の報告のつづりです。 福井は2003年と1989年に使われています。 学名は、多くがラテン語やギリシャ語語源の言葉のつづりが元になっています。 問題になっている場所は、ギリシャ語のハエを表すmyiaを接尾語とした属名で、同時にギリシャ語でハエをmyaともつづります。 従ってハエの属名では、-myiaと言う属名の場合と-myaと言う属名の場合があり、時には-miaとつづられる場合もあります。 色々調べた結果、両方とも使われているようです。 Google検索 "Graphomya maculata" 143件 "Graphomyia maculata" 177件 "Graphomia maculata" 1件 その他、某先生が書いた著作は時々変わるようです。 どのように解釈すればよいのか、私には調べきれませんでした。 最近の名称(学名など)については、各学者の考えがありますので、学者によって異なる場合もあります。学会等で強制的に決められるものでは有りません。一部国際動物命名規約に抵触しているものについては処置されるようです。詳しくは忘れました。 一応の目安として、日本では日本産昆虫目録というのが発行されていまして、昆虫学データベースで無料で調べられます。 http://konchudb.agr.agr.kyushu-u.ac.jp/index-j.html 日本産昆虫目録データベース という項目です。 1989年の目録ですので、その後変更されたものとか、追加されたものがありますが、普通の種類はこの目録に従えばよいと思います。 むずかしいm(__)m
市毛様 色々お手数をおかけして済みません。複雑なことは分かりました。私も調べている途中で知恵が付き、Google の検索オプションで「いずれかのキーワードを含む」に〜mya,〜myia を入力しました。しかし、国際的にデータベース化される時代に、学名に幾通りもの綴りがあるというのも困りものだと素人目には映ります。勿論、研究者によって分類の見解が異なり違う科や属になるというのはありうることですが。
で、市毛様の紹介の「昆虫学データベース」で調べたところ、 セマダラハナバエ Graphomya maculata(Scopoli) ヒメセマダラハナバエ Graphomya rufitibia(Stein) となっていました。従って、ハエ男様に教えていただいた「ヒメセマダライエバエ」は「ヒメセマダラハナバエ」と読み変えさせていただきます。ごめんなさいハエ男様、勝手なことをしました。この後は市毛様とチャンバラなさって下さい。 有り難うございました。
イエバエ科で和名にハナバエとある種類は最新のイエバエ科のモノグラフ(篠永哲 著)では〜イエバエの形に置き換えられています。
学名についても上記のモノグラフから引用しました。 イエバエ科は昆虫学データベース以降に記載された種がかなりありますし、属の移行、亜種、種の取り扱いの変更などがかなりあるので、現在の所イエバエ科については篠永モノグラフを参照するのが当面はベストだと思います。。
1486の画像はG.maculataではありません。背中の黒い筋が4本あるし・・
翅脈・・M1+2も大きく「ヘ」の字に曲がってますので、単なるMusca属の一種ではないかと思います。イメージ的にはノイエバエかクロイエバエあたりに良く似てると思います。
ハエ男様、あなたとハエのことでチャンバラできません。仰せに従います。イエバエ科に○○ハナバエは素人としては混乱するのでそちらに統一される方が望ましいのですが、ちょっと反論の予感がして議論の続きを市毛様に振って逃げました。
ところで、その後 Graphomya maculata で検索して次のサイトに出くわしました。絵合わせだけですけれど、上記2枚の写真は♂♀の関係に見えました。信用できるでしょうか。 http://www.bioimages.org.uk/HTML/T94291.HTM
ハエ男様、平群庵様。
平群庵様、残念ながらハエ男様はチャンバラするような方では有りません。とりあえずは一杯と、酒屋or郷土料理屋に連れ込まれる恐れはあります。後で参考にしなさいと目録等のコピーが頂けるかもしれません。 日本産昆虫目録ですとセマダラハナバエでしたか、これはうっかりしていました。たしかにモノグラフは出ているのですが、普通の人にモノグラフを参照にしろとは言えないですし・・・ やはり、このサイトに質問を書いてもらい、最近の傾向としては・・・なりの解説をもらうのが良いかもしれません。 現在、日本産昆虫目録の改定が進行していますので、早く改訂版が出れば解決する問題なのですが・・・ 暫定的には、集録種類数が少ないのが難点ですが「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」を参照にしてもらうのが良いかもしれませんね。 http://www.wec.or.jp/center/mizube/list/mizube-list.htm 平成12年版ですので、Graphomya maculata セマダライエバエと書かれています。 この他には、HGAP用提出昆虫類目録なども良いかもしれません。残念ながらGraphomya属は北海道にいないので載っていません。URLは忘れました。
平群庵さん、ウチのHPを引用して下さりありがとうございます。東京都本土部昆虫目録(TKM)事務局です。
さて、セマダラハナバエ についてですが、現時点でもっとも権威あるイエバエ科分類書とである下記の文献ではGraphomya maculata という学名が、同属のヒメセマダライエバエにたいして Graphomya rufitibiaの学名が使われています。 ●篠永 哲,2003,日本のイエバエ科,東海大学出版会, 一方、最近出たてのほやほやで、最新の知見に基づいていると思われる下記文献ではヒメセマダライエバエに対して Graphomyia rufitibiaの学名が使われています。 ●篠永 哲,2005,赤坂御用地と常盤松御用邸のイエバエ科、クロバエ科およびニクバエ科ハエ類,国立科学博物館専報,(39):375-386, どっちやねん。 篠永先生に直接聞いてみるのが一番でしょうか。
追記と訂正です。
HGAP用提出昆虫類目録 北海道Gap分析プログラム http://homepage3.nifty.com/hgap/ この目録では、セマダライエバエは北海道に分布していないとのことで集録されていませんが、 2003年発行のモノグラフ、日本のイエバエ科では北海道の分布が書かれていますね。 むずかしいm(__)m 市毛様、TKM事務局様 ハエの名前が知りたく、あら探しのつもりは毛頭なかったのですがお手を煩わせてしまって申し訳ありません。でも事のついでに調査結果(Graphomya maculataの前後)を抜き書きします。 「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」の中の記述 Graphomia rufitibia ヒメセマダラハナバエ Graphomya maculata セマダライエバエ Graphomya rufitibia ヒメセマダライエバエ やっぱりちょっと変 私は分類学の部外者なので名前はどれになってももいいのですが、昆虫のような大量のデータを扱うデータベースは個々の種名が一義的に定められていなければ混乱し、整理することなくデータを蓄積していくと、後で、すべてのデータを目で追うという途方もない労力を費やします。これは素人にも予想できます。 それと、権威的な存在、人とその著書についても間違いや勘違いがないとは限りません。 学会にもよりますが権威と異端があるのでしょうね。 ああ、そんなことは私にはどうでも良いのですが、専門家にこんな事をお話しする機会は滅多にないものでついつい偉そうなことを書いて失礼しました。 私は添付写真のハエの名が知りたいだけなのです。
ご幼少のみぎりには赤影のマネをし、ライオン丸のマネをし、赤胴真空切りもポーズだけはマスターしたワシですが、現在は6mの長いタモ網をいっきに振り切りツバメガエシと呼んでおります(ときどきツバメガエシの威力に負けてサオが折れるのが悩みなのです)。
それはおいといて、実は生き物の種名、学名の取り扱いについての日本国としてのああしなさい、こうしなさいといった法律はありません。あくまでも、私的に発表されたものを一般の方々&研究者が認めて、使っていくかどうかなのです。 たとえ、学会発表されたとしても、その種名については人間の氏名の戸籍上の取り扱いのような法律上の有効性はないのです。唯一「国際動物命名規約」にのっとってるかどうかが重要なのですが、これも、学名のみの取り扱いなので、和名に関しては本当にころころ変わります。(学名も良くかわるけど・・) またいろいろと疑問点がありましたらどんどん書き込みをお願いします。ごく一部の研究者で進められてきた双翅目の情報をみんなで検証、より精度の高い情報に修正していきましょう。 そのためにはこっちも勉強せねば・・・
平群庵さん>1492でご指摘のサイトを見てワシも悩んでしまいました。♂と♀であんなに違うんですね・・・
篠永モノグラフでは♂の写真しかでていなかったので、ついついラフに絵合わせをしちゃったのですが、ご指摘の通り、1486の画像はG.maculataの♀である可能性が高いと思います。 ご指摘のサイトは英国のサイトのようですが、作りから考えてもかなり信頼できるように思います。(同定が怪しい時は危険って表示してあるし・) ガセネタ振ってしまってすみませんでした。
素直にあやまられたら素直に受け入れる。冗談です、とんでもございません。Graphomyaの属名をいただけたので検索することが出来ました。みなさまのお知恵を借り、英国の Fly Man 氏にも助けられ画像に名前を付けられます。有り難うございました。
通りすがりで申し訳ありません。実家へ寄ったときしか見られないので・・・
面白そうだったので、Yahoo UKを探してBiosis http://www.biosis.org.uk/ion/search.htm というのを見つけましたので、ここでGraphomyiaとGraphomyaで検索をかけてみました。 その結果は Graphomyaでは該当するものがなく、GraphomyiaでDipteraに該当ありで出てきます。 今後の訂正もあるかもしれませんが、当面はGraphomyiaを使うのが無難ではないでしょうか。
この学名の取り扱いについては著者に直接尋ねるしか方法がないと思います。
ただ、現状ではイエバエ科についての参考文献でもっとも新しく情報が多いのが東海大出版の「日本産イエバエ科のモノグラフ 篠永哲著 」なわけで、この著者が日本のイエバエ科やニクバエ科クロバエ科の目録作製に大きくかかわっている関係上当面は出典を明記の上、上記の篠永モノグラフを参考にせざるを得ないと思います。 学名の語尾の変更、訂正というのは多くはないですが、ときどきあるようですので(カブトムシなんかも属も変わったし、種小名も昔とは語尾が変わってますし・・)イエバエ業界でどのような話があったのか確認して、その辺がどうなってるのか見やすい媒体に解説をしてもらいたいものですね。 また、そのような情報をご存知の方がいましたらぜひ、当サイト内の投稿型HPの「みんなで作る双翅目Web図鑑」の方に投稿をお願いします。(ひそかに増殖中なのです。) |
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