木佐浩之 様.
複眼が有毛で,後脚付節が黄褐色,胸弁の縁毛が淡黄色なので,Mallota rubripes マツムラハラブトハナアブのようです.
茨城@市毛 様
早速のご回答有難うございます。
「マツムラハラブトハナアブ」につきましては以前にも同定していただいたことがあるのですが、
この個体は黄色い体毛におおわれているため全く異なった印象を受けました。
外観から絵合わせしてしまったので気がつきませんでした。
実は画像のようなタイプを「ツマキハラブトハナアブ」「クロオビハラブトハナアブ」
「ニセクロオビハラブトハナアブ」等の和名で紹介されているサイトを見つけて混乱してしまったのですが、
これらは同じものと考えてよいのでしょうか?
木佐浩之 様.
マツムラハラブトハナアブは,体色の変異毎に学名が付けられ,学名が異物同名(ホモニム)で変更があったりと複雑な種類です.概ね以下のようなリストになると思います.
Mallota rubripes Matsumura, 1916 マツムラハラブトハナアブ
= Imatisma abdominalis Shiraki, 1968 ツマキハナアブ
= Imatisma analis Shiraki, 1968 ニセクロオビハナアブ
= Imatisma ambigua Shiraki, 1968 クロオビハラブトハナアブ(クロオビハナアブ)
= Mallota shirakii Peck, 1985 ツマキハラブトハナアブ
= Mallota yakushimana Kassebeer, 1996 ニセクロオビハラブトハナアブ
= Penthesilea ruburipes (Matsumura, 1916) アカアシモモブトハナアブ
茨城@市毛 様
解説有難うございました。
このハナアブは体色ごとに多くの名前で呼ばれていたのですね。
しかし、分類上の変更が複雑に行われた結果、現在は収斂されていると理解しました(=記号から)。
それぞれは「マツムラハラブトハナアブ」の1タイプと考えて良いでしょうか。
木佐浩之 様.
様々な中間的な個体が見られるので,タイプや型というものとは違うと思います.
マツムラハラブトハナアブの体色は,黒色から黄色まで様々に変異します.
昔腹端だけオレンジ色の♀が産卵したので飼育したら,翌年胸部と腹部の前縁が黄色い♂が羽化して驚きました.
幼虫や蛹時の温度が高いと黄色くなりやすいように思います.
なお,この変異については,下記の文献で報告されています.
池崎善博. 1983. 日本のモモブトハナアブに見られる多型について, 昆虫と自然 18(14): 33-34.
茨城@市毛 様
お手数をかけてすみません。
生育条件によって色彩に様々な変化がおこり、安定性が無いと理解しました。
上の画像と同じ色彩のものを1000m級の山林で見かけたこともあるので、生育環境も幅広いのでしょうね。