HY 様.
写真のヤドリバエは,中胸背盾板中央部の黒い横帯が翅の基部まで達しているので,Trigonospila transvittata (Pandelle, 1896)と思われます.
なお,新訂原色昆虫大図鑑の図2203に図示されているのは,Trigonospila ludio (Zetterstedt, 1849)もしくはTrigonospila vittigera (Coquillett, 1898)です.
日本昆虫図鑑(1950, 北隆館)で種の取り違いがあり,その誤りが現在まで北隆館の図鑑で引き継がれているようです.
シロオビハリバエという和名については,嶌(1990)や嶌(2014)はtransvittata に当てていますが,学研や保育社の図鑑ではludioに当てられており,かなり混乱しています.
なお,日本昆虫図鑑(1950, 北隆館)のヤドリバエ科の学名等については,嶌(1990)で色々と訂正されております.
嶌洪. 1990. 日本昆虫図鑑(改訂版)に記載されたヤドリバエ(高野, 1950)の同定. まくなぎ 16:15-24.
茨城@市毛 様
同定と和名に関する貴重な情報を提供いただきありがとうございます。
ご提示いただいた双翅学会会誌まくなぎNo.16は、Netで検索したところ残念ながら完売しているようです。
<シロオビハリバエという和名については,嶌(1990)や嶌(2014)はtransvittata に当てていますが,学研や保育社の図鑑ではludioに当てられており,かなり混乱しています>とのことですが、この写真のヤドリバエの和名は、市毛様からご教示のあった嶌(1990)や嶌(2014)にもとづいて、シロオビハリバエとしておきます。日本産昆虫目録データベース(九州大学)でもそのようになっています。
同定・ご教示に感謝いたします。