こんばんは。
今回は顔の剛毛がイカしているヤドリバエ科の同定をしました。 ■日付/採集地/標高 ・2021/04/11_神奈川県横浜市緑区_40mほど ■属の同定 ・旧北区のマニュアルvol.3を利用しました。 ■種の同定 ・中国蝿類のp2131の検索表やp2130の図を参考にしました。 ・翅前縁脉第四脉段与第六脉段大致等長 ○ ・触角芒基部1/2加粗, 前胸側片凸陥被毛、下顎須黄色 ○? (触角...加粗の部分をしっかりと理解できていないのですが、顔の側面図とほとんど一致しているので きっとこの文の通りなんだな...。と判断しました。) より、Athrycia curvinervis (Zetterstedt, 1844)にたどり着きました。 ------------------------------------------- A.curvinervisは2017年の旧北区のヤドリバエのホストカタログによると ヤガ科の様々な種に寄生することが報告されているようですね。 ハエ目全体にも言えることだとは思いますが、ヤドリバエ科は形態に富んでいて本当に面白いです。 実体顕微鏡を通して見るととてつもなく幸せな気分になります。
加粗は,太くなる,の意味です.途中で太さが変わっているので基部の太い範囲を比べています.あまり急激に変化していない時は迷う事になります.
すでにご存じかもしれませんが,ヨーロッパのヤドリバエのキーもあります. https://tachinidae.myspecies.info/sites/tachinidae.myspecies.info/files/Central%20European%20Key%20-%20plus%20figures.pdf 日本との共通種も多いので参考になります. 2014年の日本昆虫目録ではこの種にキオビケブトハリバエの和名が付いてますが,2016年の埼玉の報告では同属のAthrycia trepida (Meigen, 1824) のほうにこの名前が付いてます.和名で関連付けられる情報が少ない事もあり,あまり当てになりません. この種は持っていないのですが,けっこう黄色っぽいのですね.
写真は自分が採集したAthrycia trepida です.
滋賀県米原市,姉川,標高430m,2020年5月23日,体長7mm. こちらは黒いので,同じ流域にも分布するVoria ruralis (Fallén, 1810) に似ており,見つけた瞬間は区別できません. 見ていて幸せな気分になる顔です.
大宮様
>>>加粗は,太くなる,の意味です.途中で太さが変わっているので基部の太い範囲を比べています なるほど、そういうことだったのですね。理解しました。 >>>すでにご存じかもしれませんが,ヨーロッパのヤドリバエのキーもあります. おお、ありがとうございます! この文献は存じなかったので、とても助かります。 ・図が豊富 ・種別の検索表が亜科ごとに分かれてる ・検索表で、番号ごとに仕切りが引いてある などのため、とても見やすい文献となっていますね >>>2014年の日本昆虫目録ではこの種にキオビケブトハリバエ,〜〜〜〜けっこう黄色っぽいのですね. 和名については私も疑問に思っていたところです。 「キオビ」が「黄色を帯びている」という意味であれば、「キオビケブトハリバエ」という和名はA.curvinervisの方がふさわしいように感じます。 正直わかりにくいですが...。 ほかにふさわしい名前がありそう。 >>>写真は自分が採集したAthrycia trepida です.〜〜〜〜見ていて幸せな気分になる顔です. ほんとに黒いですね。 黄色要素がほとんど見受けられない。 Voria ruralisさんは何度かネットで画像を見たことがあります。 確かにそっくりさん。 採集してみたいものです。 |
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