ヒザグロフンバエ or Amaurosom属 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/11/26(Tue) 08:17:34 No.8660 茨城県南部霞ヶ浦水系の湿地で採集した体長7mm程のフンバエです. 当初,ヒザグロフンバエCleigastra apicalis ではないかと考えていましたが,先の同定会でバグリッチさんと話した際に,玉木さんがNanna属として記録した種類と同種ではないかとの話になりました. (Sifner,2003 でNanna属は無効名とされ,現在ではAmurosom属となっています) *)田悟敏弘・玉木長寿, 2005, 埼玉県,千葉県,茨城県,東京都で,2003−2005年に採集された双翅類の記録(2). 寄せ蛾記 118:39-49. 再度,旧北区の検索で属を調べてみると,couplet3の"Postpronotal lobe anteriorly with erect spines"という記述がありますが,写真のように肩瘤にspineと言えるほどの太い剛毛はありません. ヒザグロフンバエについても,日本産昆虫総目録で本州に産すると記されているだけで,具体的な記録が出てきません.ネットで調べてみると,まあさんが阿武隈山地で撮影した画像が見つかるだけでした.http://mitikusakuttemiyo.blog70.fc2.com/blog-entry-876.html この個体は,どちらの属なのでしょうか? 御教授頂ければ幸いです. 添付:8660.jpg (81KB) Re: ヒザグロフンバエ or Amaurosom属 - バグリッチ 2013/11/26(Tue) 22:15:35 No.8661
市毛様 こんにちは。 同定会の際にお話ししました通り、画像の種は、手持ちの標本とよく似ています。 肩瘤には、非常に強い刺毛があります。 市毛さんの標本で欠損の可能性もあると思います。 ただ、その位置がanteriorlyでなく、postetirolyな点が異なっています。 いくつも持っていますので、この週末でも標本をお送りします。比較してみてください。 また、あす以降、画像と標本と詳しく比較してきたいと思います。 ではまた。 Re: ヒザグロフンバエ or Amaurosom属 - バグリッチ 2013/11/30(Sat) 18:03:16 No.8662 市毛様 良く似た手持ちの標本で検索してみました。 ご指摘の『肩瘤にspineと言えるほどの太い剛毛はありません.』の部分ですが、確かに、そのようなものはありません。 私が前のコメントで書きましたものは、強い刺毛で、spineでなありませんでした。 旧北区の検索ではNannaには落ちずに、Orthachetaに行ってしまいました。 Nannaではないように思います。 一方で、Cleigastra にも行き着きませんでした。 画像を添付しましたが、成虫全形画像の左はオス、右はメスです。オスは白い長い毛を体の下面〜脚のたくさん備えていて、大変きれいです。 というわけで、結論できませんでした。 詳しい方のフォローがいただけますとありがたいです。 Re: ヒザグロフンバエ or Amaurosom属 - バグリッチ 2013/11/30(Sat) 18:04:03 No.8663 画像に追加です Re: ヒザグロフンバエ or Amaurosom属 - バグリッチ 2013/11/30(Sat) 18:05:37 No.8664 もうひとつ。 Katepisternumには、3本の強い刺毛がありますが、個体によっては、4本に見えるものもいます。 Re: ヒザグロフンバエ or Amaurosom属 - 茨城@市毛 2013/12/01(Sun) 17:31:30 No.8665 バグリッチ様. 確かに小楯板剛毛が2対あり,CMPDではOrthacheta属に行きつきますね.(脱落してたのと,日本にいないだろうと思って見落としてました) 改めてSifnerのフンバエ科カタログで極東ロシアの記録を調べてみたところ,20属近くが記録されており驚きました.(一部,Cordilura属等を細分化しているような傾向もあります). 中国の記録は,中国蠅類からあまり増えていないので,調査不足のようです. CMPD(旧北区の検索)に載っていない,1999年に極東ロシアから新属として記載されたLangechristia属が気になります. やはり,フンバエ科は難しいですね. Re: ヒザグロフンバエ or Amaurosom属 - バグリッチ 2013/12/01(Sun) 18:48:29 No.8666 市毛様 手元に、未同定の小型のフンバエ科を結構持っています。 小型種は情報が少なく、難しいです。 今回の種は、本日、2オス、1メス送りましたので、比較してみてください。 ではまた。 |