ウラジオストクの生物学・土壌科学研究所訪問 投稿者:達磨 投稿日:2012/11/27(Tue) 10:23:16 No.8016 実に19年ぶりにロシア、ウラジオストク市にある科学アカデミー極東支部生物学・土壌科学研究所を訪問しました。沿海地方は当時甲虫の研究をしていた私が初めてガガンボの採集をした地です。今回の訪問は標本調査と弘前大学との共同研究ができないかとの相談。ハエの標本はバシリ・シドレンコが整理していたのですが,彼が2010年に46才の若さで亡くなってから双翅目の担当者が配置されていません。ユスリカの研究をしているマカルチェンコさんは淡水生物学研究室の方で直接コレクション管理は行っていないようです。どうなっているのかも心配でした. 添付:8016.jpg (69KB) Re: ウラジオストクの生物学・土壌科学研究所訪問 - 達磨 2012/11/27(Tue) 10:28:36 No.8017
19年前とほぼ同じメンバーが今も活躍中です。直翅目研究者でFar Eastern Entomologist誌の編集担当のセルゲイ・ストロゼンコさん(左)と現在室長のアルカディ・リレイさん。年はとっても19年前と同様、ストロゼンコさんは眉間にしわを寄せながら話をするし,リレイさんは「Nakamura-San, Have some tea」とニコニコしながらお茶をすすめてくれました。 Re: ウラジオストクの生物学・土壌科学研究所訪問 - 達磨 2012/11/27(Tue) 10:32:08 No.8018 こちらはユスリカ(ハネカも)研究者のマカルチェンコさん。今年60才で定年退職の年だそうですが,ロシアでは健康上問題がなければ,希望する限り職を続けることができるそうで、「俺はまだやるよ」と仰っていました。ハバロフスクから車で5時間ほどの所にマスの孵化場があり、そこには定期的に行っているので今度一緒に行こうと誘われました。 Re: ウラジオストクの生物学・土壌科学研究所訪問 - 達磨 2012/11/27(Tue) 10:39:04 No.8019 ガガンボの標本に愛を注ぐ人がいないらしく,標本も少なく、どうしても見たかったベッコウガガンボのタイプ産地(ウラジオストク)産の唯一の雄の腹部がなく、こちらはちょっと残念でした。しかし、ここにはもと所長だったP. A. Lehr博士のすばらしいムシヒキアブのコレクションがあります。多数のタイプを含むおよそ100箱。ロシア全域にすむ既知種のほとんどが含まれているとのことでした。 Re: ウラジオストクの生物学・土壌科学研究所訪問 - 達磨 2012/11/27(Tue) 10:45:55 No.8020 現在、標本がひどく傷んでいるという様子はありませんが,何ぶん双翅目の担当者がいませんのでこのコレクションの行く末がちょっと心配。調べたい人はできるだけ早く見に行った方がよいと思います。今回の旅行のかかりは飛行機(大韓航空で青森からソウル経由で往復7万円)、宿泊(ソウル2泊、ウラジオ5泊で6万円)、ビザのやホテルの手配など(1万円)、現地での食事、交通費など(ちょっと贅沢に2万円)ほどでした。 Re: ウラジオストクの生物学・土壌科学研究所訪問 - 茨城@市毛 2012/11/29(Thu) 22:55:03 No.8021 達磨様,寒い中,より寒い地方への出張ご苦労様です. 達磨様が心配しているように,双翅目の担当者がいなくなると標本の管理は心配ですね. 他の昆虫に比べ,双翅目は箱の開閉の風で翅が傷みやすかったり,カビが発生するとクリーニングが困難で,翅・脚・腹部や頭部が脱落することがあったりと昆虫の中でも一段と気を遣う標本だと思います. 某研究所のハナアブ科のコレクションでも,頭部が落ちている標本が色々あって残念な思いをしてます. |