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ロクモンホソハナレメイエバエ 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2009/04/13(Mon) 13:32:20 No.5362
双翅目談話会から戻ってきて、ほぼ1週間寝たきり状態でした(飛行機の機内の気圧が飛行中に低くなるのが、かなりひびきました)が、ようやく少し痛みも多少ましになってきたので、硬直した筋肉をほぐしに土曜日にフィールドに出てみました。

これは札幌市の西岡水源池の周囲で採集したものですが、ハナレメイエバエ亜科のロクモンホソハナレメイエバエ Caricea pallipalpis です。おそらく北海道では未記録かと。

添付:5362.jpg (91KB)
Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 14:21:55 No.5363
ここを見ておられる方には本格的にハエの同定をしたことのない方も多いと思いますので、どういうプロセスでこの種の同定に至っているかを、ごくごく簡単に示しておきたいと思います。とりあえず、イエバエ科までは落ちているところからはじめます。

まず、下前側板(腹胸側板)の剛毛の配列が二等辺三角形になっているので、ハナレメイエバエ亜科のハナレメイエバエ族であることがわかります。


Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 14:23:44 No.5364
次に、頭部を側面から見ると上部額剛毛が2対あります。

Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 14:27:05 No.5365
また、後脚の脛節の末端部以外の剛毛を見ると、前背剛毛が2本であることが確認できます。

写真の脛節の右側が背面で左側が腹面です。そして手前を向いている面が前面で裏側を向いている面が後面です。ですから、右側を向いていて、かつ手前に向かっている剛毛が前背剛毛となります。


Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 14:29:22 No.5366
次に、中脚の脛節を見ると、後背剛毛が2本ではなく1本だけです。写真の真ん中あたりに右の方向に突き出ている剛毛がそれです。

Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 14:31:27 No.5367
また、頭部の額帯の単眼三角域は大きく発達しています。

Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 14:33:24 No.5368
さらに、小盾板をみると、強剛毛は2対4本です。

胸部の後方の逆三角形の部分が小盾板です。

ここまでの形質で、Caricea ホソハナレメイエバエ属まで落ちました。


Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 14:51:25 No.5369
「日本のイエバエ科」の検索表を使うと、Caricea の中で、この個体は腹部に黄色の部分(地色が黒ではく黄色の半透明になっている部分)がなく、全体が黒色で灰色の微粉を装っていること、脚の腿節が完全に暗褐色になっていることから、ロクモンホソハナレメイエバエまで落とすことができます。

ただ、ほかにも同定する上で重要な形質があります。

ひとつは最初の全形写真で示されているように、r-m横脈とm-m横脈の周囲の翅面が黒ずんで斑紋になっています。

また、胸部の盾板の横溝より前に、正中剛毛が存在しています。


Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - ウミユスリカ 2009/04/13(Mon) 15:02:33 No.5370
最後に、和名の由来となっている、腹部背面の斑紋を示しておきます。

Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - 新屋 2009/04/13(Mon) 21:53:11 No.5374 ホームページ
腹部背面に6つの黒紋があるのが特徴的なのに、同定というものではそれを一切無視なのがウーーーン…と思いました。
この辺りのハエは腹が灰色一色か灰色と黒のああいう模様が多いので、この模様はけっこう目立つ特徴のような気がします。
科か亜科に落とせばあとはここで決められそうです。


Re: ロクモンホソハナレメイエバエ - 茨城_市毛 2009/04/14(Tue) 08:17:38 No.5377 ホームページ
ウミユスリカ様.

大作ご苦労様でした.

新屋様.

この属では,腹部に6つの黒紋を持つ種類が多いようです.

他の分類群と違い,和名=特徴とは早合点しないほうが良いと思います.
酷似した種類が大半のハエに対して,各々に和名を付けてほしいという要望があり,それに対して研究者が頭をひねって考えているので,特異な点を確実に表しているとは限りません.

また,文献に載っているのが全ての種類でないという点にも注意が必要です.
イエバエ科については,「日本のイエバエ」が集大成ですが,この掲示板で議論されているように,まだまだ多数の未記載種が発見されています.

このように,斑紋等の顕著な外見で区別が困難なことも,双翅目がアマチュアに敬遠されてきた要員の一つであり,多量の入手困難な文献を必要とすることと共に敷居を高く感じさせているのだと思います.


出た… - 新屋 2009/04/14(Tue) 20:13:31 No.5378 ホームページ
あぁ、後にまさかと思っていましたが「こういう種類は多い」でしたか…

外観の豊かな仲間(ミバエ、ハナアブ、ガガンボ、メバエ、フンコバエ、ヤドリバエ等)も多く、見る分には楽しいのですが、
名前がわからないと撮りたくない側の方が多いようですね…。

私はわからなくても構わないほうで名前のわからない画像がたまっています。中には赤、橙、黄、白、黒の大きく鮮やかな
「これはわかるだろ」と思っているガガンボもありますが見直してみるとそうした目立つ姿のものはわずかでした。


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