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我家のユスリカ 投稿者:田中川 投稿日:2009/03/10(Tue) 00:54:45 No.5193
軒に止まったユスリカです。雌ですよね。ユスリカの仲間は種類数が多いらしいのに、なかなか紹介されていませんね。この個体の正体はどこまで判りますでしょうか。
2009.3.9昼前 三重県津市

添付:5193.jpg (49KB)
Re: 我家のユスリカ - 三枝豊平 2009/03/10(Tue) 01:57:52 No.5196
まだテネラルな印象で十分着色していないのでしょうか.今頃オオユスリカがたくさん羽化します.あるいはこの種では.なお,あなたのTrichoceraに関する投稿について,同定の困難さに関してNo.5174に書き込んでいますが,読まれましたか?

Re: 我家のユスリカ - エリユスリカ 2009/03/10(Tue) 08:57:12 No.5199
体の大きさはどのくらいなのでしょうか?三枝先生の井おっしる通り、今頃からオオユスリカが沢山出てきます。特に冬期から初春期にかけて発生するオオユスリカは体色が強く黒化しています。5月頃には斑紋の明瞭な淡色のものが多数発生致します。写真はテネラルなので種までははっきりしません。が、前脚の脛節と第1跗節の割合から、ユスリカ属Chironomusであることは間違いないでしょう。腹部に節を横切る細いバンドが見られることから、セスジユスリカの可能性が高いようです。
オオユスリカには沢山の同胞種がいて、形態での識別はとても困難になってきています。日本のオオユスリカもヨーロッパのものとは種が異なるのではと指摘されています。事実、諏訪湖の個体群に対して幼虫の染色体、DNA解析からヨーロッパのものから異なるとの判断から、Chironomus suwaiと言う名前が、つい最近与えられました。とりあえず私はこれに対してスワオオユスリカという和名を与えています。これは、従来のC. plumosusと区別するために与えたものです。C. suwaiはあくまでも諏訪湖周辺部の個体群に対して命名されたもので、九州、北海道と同一種であるとの確証は無いためです。この事は、C. suwaiの命名者にも了解済みです。
なお、写真は雌個体のようです。特徴のはっきりしたものを除き、雌のみで種を同定することは、ユスリカでは、特に日本では、まだまだ困難な情況にあります。


Re: 我家のユスリカ - 田中川 2009/03/10(Tue) 23:45:32 No.5203
三枝豊平様、エリユスリカ様ありがとうございます。
体長は5ミリは超えるが10ミリには遠いというような感じで見ておりました。ユスリカの写真撮影は初めてでしたので、こんなに彩りが鮮やかなものとは知りませんでした。テネラルの個体たちに共通した彩りなのでしょうか。ユスリカというと集団での活動を思い浮かべますが、この時期の彼らは個体数が少ないのですね。周りには他の個体の姿が見られませんでした。また、腹部に毛が生えていたのにも驚きでした。ユスリカには普通のことなのでしょうか。
「第1跗節」は文字化けしているのでしょうか。
今度ユスリカを見つけたら、雄の個体を撮るように心がけたいと思います。
三枝豊平様、No.5174の書き込みはもちろん読ませていただいております。共感していただいた部分があると知っただけでも恐縮しております。底なしの深井戸を覗かせていただいたような気持ちです。奥が深すぎて私ごときには返す言葉もありません。


Re: 我家のユスリカ - エリユスリカ 2009/03/11(Wed) 11:43:50 No.5213
体長が10ミリを超えないのなら、セスジユスリカにほぼ間違いないでしょう。セスジユスリカの幼虫は家の周囲のやや流れのある溝や、水田脇の水路などに生息しています。このセスジユスリカに外見のそっくりなヒシモンユスリカというユスリカも沢山います。私もユスリカを見始めた頃は両種の違いが全然判りませんでした。セスジユスリカと異なる幼虫を採ってきて飼育したはずなのに、羽化してきた成虫は皆セスジユスリカなのは何故だと随分悩んだ事があります。今は、雄の生殖器、斑紋のパターンで識別は出来ますが。この両種の幼虫はうまく棲み分けています。セスジユスリカは流水中に、ヒシモンユスリカは止水中に生息します。例えば、5月頃この両種は水田などで沢山出現しますが、水田脇の側溝にはセスジユスリカが水田内にはヒシモンユスリカがすんでいます。また、ミクロネシア、小笠原にはヒシモンユスリカにそっくりなミナミヒシモンユスリカ(Chironomus samoensis Edwards)と言う種が分布しています。沖縄や八重山にいる種がヒシモンユスリカなのかミナミヒシモンユスリカなのかはまだ結論が出ていません。私は後者だと思うのですが。これについてはオーストラリアの研究者が今、染色体、DNAで解析を行っているところです。彼には、本土産のヒシモンユスリカを飼育して、全ステージのサンプルを送ってあります。結論を楽しみにしているところです。
ユスリカに興味を持って頂ける方が、一人でも増えて下さるのはとても嬉しいことです。先の文章で文字化けしたもの:前脚のケイ節とフ節の割合、です。


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