返信フォーム

空中静止をする微小なハエ 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/07/22(Tue) 14:09:06 No.4708 ホームページ
 連続投稿になりますが、何方からも暫く書き込みが無い様です。
 これは先日(7月15日)に我が家の庭(東京都世田谷区西部)で撮りました。体長約1.7mmのハエですが、リッパに空中静止をしており、時々10cm位を瞬時に移動します。
 腹端がやや筒状で、ミバエやハモグリバエなどに少し似ていますが、頭部の構造が違うようです。こんな小さなハエで空中静止をするのは一体何でしょうか。
 刺毛が一番よく見える写真を添付しました。前から撮った写真もありますが、完全な後ピンで、背中刺毛と思しき刺毛が3対あるのが見えるだけでした。
 小さ過ぎて検索も出来ませんが、空中静止をする小さなハエ、と言うことで分かる方には分かるのではないかと思い投稿いたしました。宜しく御教示下さい。
 なお、先日こちらで正体の判明したシマバエ科の未記載種(Steganopsis sp.)をhttp://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/steganopsis_sp_2ca3.htmlに掲載致しました。御笑覧下さい。

添付:4708.jpg (63KB)
Re: 空中静止をする微小なハエ - アノニモミイア 2008/07/23(Wed) 22:27:00 No.4710
間違っているかもしれませんが,おそらくショウジョウバエ科Drosophilidaeの1種でしょう.この科の専門家なら種まで同定できそうです.

ショウジョウバエ科のいくつかは,ホバリング飛翔が得意で,このような飛翔はクヌギなどの樹液に来ているショウジョウバエについて普通に観察できます.ホバリングから急に上下に小さく円形にクルクルまわるような器用な飛翔もおこないます.

バナナバエ科(Cypselosomatidae)のFormicosepsisやLycosepsisの種もかなり器用なホバリングをします.Calyptrataeではヒメイエバエ属Fanniaをはじめヤドリバエ科のCarcelia属などホバリングの上手なハエがたくさんいます.


Re: 空中静止をする微小なハエ - アーチャーン 2008/07/24(Thu) 10:19:23 No.4711 ホームページ
アノニモミイア様

 御回答有難う御座います。

 ショウジョウバエが空中静止するとは全く思いもよりませんでした。ショウジョウバエの頭部の形態や剛毛の生え方などを調べてみると、確かに写真のハエと基本的に同じです。下調べが不足していたと反省しております。
 北隆館の圖鑑や北大の「日本産ショウジョウバエ」で調べてみましたが、該当する種類は見当たりませんでした。250種以上もあるのですから、まァ、当然でしょう。
 しかし、ショウジョウバエの他に、ヒメイエバエ科やヤドリバエ科の中にも空中静止をする種類が居るとは、些か驚きです。ハエの世界は複雑奇怪であることを再確認した次第です。
 ハエ類には大いに興味がありますので、今後とも宜敷御願いいたします。


Re: 空中静止をする微小なハエ - アノニモミイア 2008/07/29(Tue) 08:16:51 No.4722
気付いただけでもホバリング飛翔をするDipteraには以下のものがあります.一つは群飛内(オドリバエでは雌も),テリトリー内での雌待ちうけ飛翔,それに狭い生息空間での飛翔,訪花上での飛翔などが,ホバリングを起こさせているように思えます.御参考までに.

糸角亜目
 Axymyiidae  Axymyia japonica雄
 Bibionidae   Plecia雄
 Simuliidae   各種雄

直縫短角類
 Tabanidae    各種雄
 Acroceridae   各種雄
 Bombyliidae   各種
 Asilidae    一部の雄のmating display
Empididae   Syneches(探餌飛翔), Hilara, Rhamphomyia(群飛,交尾飛翔など)などの一部
Dolichopodidae  Diaphorusの一部の種(群飛中),Dolichopusなどいくつかの属の一部の雄(mating display)

環縫短角類
Opetiidae    Opetia alticola雄
Phoridae     Phoraの一部の種(雄の群飛中)
Syrphidae    多数の属,種(縄張り,交尾,訪花その他の場合)
Cypselosomatidae Lycosepsis, Formicosepsis (雌雄,一般飛翔)
Lonchaeidae   Lonchaeaの一部の雄. 
Milichiidae   Milichiellaの雄
Drosophilidae  各属の雌雄,Paraleucophengaなど一部の雄(群飛内)
Anthomyiidae, Muscidae, Fanniidae,Calliphoridae(Stomorrhinaなどの雄),Tachinidaeなどの一部の属(雄の群飛などの集団)


Re: 空中静止をする微小なハエ - アーチャーン 2008/07/29(Tue) 16:50:48 No.4723 ホームページ
 Anonymomyia様

 追加情報有難う御座います。
 空中静止する双翅目としては、ツリアブ科、オドリバエ科、ハナアブ科、多分イエバエ科のハエ、クロバエ科(ツマグロキンバエの雄)位しか知りませんでした。随分沢山あるので驚いております。
 なお、この「空中静止をする微小なハエ」は、「ショウジョウバエの1種」として楽天のブログhttp://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200807280000/に掲載いたしました。この追加情報も追記としてそのまま転載させていただきました。御笑覧下さい。


Re: 空中静止をする微小なハエ - Acleris 2010/02/13(Sat) 15:56:26 No.6149 ホームページ
アーチャーン様、皆様コンニチワ。
古いスレッドを上げてスミマセン。
ちょっと過去ログを参照している時に思い出したのですが、
昨年こちらとソックリなハエを採集しています。

画像のとおり、R2+3脈が短く、翅長の半分以下でC脈に終わっているので、ヒメホソバエ科Asteiidaeなのは確実とおもいます。
前翅長は2.3mm


Re: 空中静止をする微小なハエ - Acleris 2010/02/13(Sat) 15:57:43 No.6150 ホームページ
生時の画像。
アーチャーン様の画像とは雲泥の差がありますが、体の模様などは似ています。

本個体は、人工島の草地をスイーピングして得たものです。
m-cu横脈がないので、Asteia属になるようです。

「A taxonomic review of Japanese Asteia」がネットで閲覧可能でしたが、
採集品は♀1個体で、毛もかなり折れてますので、
種までの同定はやめました。

ただ、アーチャーン様の写真を見ると、単眼と複眼の間に筋が見えるので、♂のようです。
上記の文献では、♂の頭部の写真がありますので、詳しい人が見たら、絞れるかも知れません。


Re: 空中静止をする微小なハエ - Acleris 2010/02/13(Sat) 15:59:07 No.6151 ホームページ
おまけ。
顔の模様。

ハエ板の皆様、
アーチャーン様のも、ヒメホソバエ科だと思いますが、
どうでしょうか?


Re: 空中静止をする微小なハエ - アーチャーン 2010/02/13(Sat) 18:16:10 No.6153 ホームページ
 Acleris様.

 貴重な情報有り難う御座います。

 実は私も一昨年に静止しているこのハエと思しき虫を撮っているのです。しかし、背側からの写真しかないのと、この時は他にもボーダイな種類のハエを撮ったので、未整理の儘に放置されています。一応保育社の図鑑(当時はこれしか無かった)でザッと検索したのですが、迷子になってしまいました。今見てみると、ヒメホソバエ科はこの図鑑には載っていませんね。現在では他にも資料が有りますので、写真を調整し、検索もしてみます。
 今日はもう時間が無いので、結果は明日にお知らせいたします。


Re: 空中静止をする微小なハエ - 茨城 2010/02/13(Sat) 20:53:35 No.6154
アーチャーン様,Acleris様.

アーチャーンさんの写真とそっくりなサムネイルを,Diptera.infoでオランダのjavanerkelensさんが使ってます.

彼のHPをみるとAsteia amoenaの飛行中の写真と記されております.
http://www.diptera-amateur.nl/beginpaginaasteiidae.htm


Re: 空中静止をする微小なハエ - アーチャーン 2010/02/14(Sun) 12:35:19 No.6155 ホームページ
茨城様.

 写真の紹介有り難う御座います。感じが私の写真と相当似ていますね。

Acleris様.

 写真を調整してみました。菊の枯葉に留まっているので、翅脈が良く見えません(背景がゴチャゴチャしていると写真が鮮明になりません)。左の写真の他に、もう少し翅脈がハッキリ写っているのがあるのですが(頭部胸部はボケている)、異常に短いR2+3らしき翅脈があるのが微かに認められる程度です。かなりアヤフヤですが、全体としてヒメホソバエ科であることは間違い無いと思います。また、m-cu横脈は、もっと怪しげですが、無い様に見えますので、Asteiaと云うことに致します。

 しかし、最初の空中静止しているハエと今日の写真では、腹部の色が違うので、別種の様な気がします。Asteiaの論文はザッと読んでみましたが、雌雄で腹背板の色が違うと云う記述はありませんでした。

 Asteia属内の検索は頬や下前側板が見えないので不可能です。空中静止の写真では、額の筋が短いのである程度は絞れますが、該当する種の記載を読むと背面から見える部分の色はみな同じで、区別が出来ません。頭部や胸背の剛毛が殆ど識別出来ないのでどうしようもありません。

 結論として、かなりいい加減ですが、Asteia sp.とすることに致します。
 Acleris様の御指摘がなければ、ヒメホソバエ科であることに気が付かなかったと思います。有り難う御座いました。

 2008年11月25日、東京都世田谷区西部にある家庭菜園内で菊の枯葉に留まっている所を撮影、翅長2.4mm。写真はピクセル等倍。


おなまえ
Eメール
タイトル
コメント
コメント内には下記と同じURLを書き込まないで下さい
参照URL
添付File  (100kBまで)
暗証キー (英数字で8文字以内)
投稿キー (投稿時 投稿キー を入力してください)
文字色