ニクバエ雌の同定 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2008/04/15(Tue) 21:25:06 No.4438 最近、今までに採集してあったニクバエの雌の腹部をKHOで処理して解剖し、同定を試みています。いくつかどうしてもわからないものもあるのですが、まじめに解剖すれば、かなりの個体がFauna Japonicaの生殖器の図で同定できそうです。 成熟した卵を持っている個体や産仔をひかえた個体だと蔵卵数も出せるので、生態学的に興味深い数値も得られてなかなかに面白いものです。たとえばシリタカニクバエですと最大22卵程度なのに対して、ナミニクバエだと同等のサイズなのに60を超えます。この差はすごい。センチニクバエは文献によると50ほど産むらしいので、人里で害虫化する種類は産仔数が多いのでしょうかね。 Re: ニクバエ雌の同定 - ウミユスリカ 2008/04/20(Sun) 23:09:02 No.4475
これがシリタカニクバエの雌ゲニタリアです。 Re: ニクバエ雌の同定 - ウミユスリカ 2008/04/20(Sun) 23:13:19 No.4476 そして、これが乾燥標本の解剖で得られた成熟卵です。この個体は19個の成熟卵を保有していました。子宮内の卵が完全に発育して幼虫になっていると殺虫管の中で死ぬときに幼虫の一部を産出してしまうことが多いのですが、成熟卵の段階ではあまりそういうことはないため、体内で保有している成熟卵の実数をあらわしていると思われます。 |