教えてください 投稿者:pakenya 投稿日:2008/04/04(Fri) 10:15:10 No.4405 沖縄シリーズです。 やんばるの山中で、ミミズの死体に群れていたやつです。 一見、ダイズコンリュウバエに似ていますが、m脈にも斑紋があります。各脚の腿節はオレンジですが脛節と付節はほぼ黒色です。全長約7mm。 体型や大きな口器はヒロクチバエ科かな?と思うのですが、よく判りません。 よろしくお願いいたします。 添付:4405.jpg (81KB) Re: 教えてください - pakenya 2008/04/04(Fri) 10:17:07 No.4406
側面からの画像です。 ブルーメタリックの体にオレンジの脚が目立ちます。 Re: 教えてください - 茨城@市毛 2008/04/04(Fri) 19:10:37 No.4407 pakenya様. ツマグロホソナガヒロクチバエElassogaster hilgendorfiに一票. (see はなあぶ 17:1) Re: 教えてください - ウミユスリカ 2008/04/05(Sat) 02:22:06 No.4415 とりあえず、"Manual of Nearctic Diptera"の検索表でElassogasterに至るキーを略式で紹介しますので、たどり着けるかどうか見てください。 R脈基部の背面は小剛毛に覆われない(R1脈はh脈より先端で小剛毛に覆われる) ↓ 前腿節には顕著に発達した剛毛はない ↓ postfronsは中央部に瘤を持たない;触角は顔より長くならない;上前側板(中胸側板)剛毛は存在する ↓ 眼縁剛毛を欠く;mesoscutumは縦長で両側は平行;M脈は翅の先端部で前方に曲がる;翅の斑紋は単純で通常先端部に暗色の紋、横脈ごとに暗色の着色、subcostal cellには暗色の縁紋がある ↓ Elassogaster Re: 教えてください - ウミユスリカ 2008/04/05(Sat) 02:29:53 No.4416 ちなみに、ダイズコンリュウバエなどが含まれるRivellia属の場合、最後のキーのところで分岐して 1〜2本の眼縁剛毛がある;ほかの形質は多様 ↓ Lower calypter は幅が狭い ↓ Rivellia となります。 Re: 教えてください - Arge 2008/04/08(Tue) 18:05:15 No.4422 どの程度役に立つか正直よくわからないのですが、 以前見つけたオーストラリアのヒロクチバエ科のReviewです。 http://www.amonline.net.au/pdf/publications/1327_complete.pdf 属の検索表には、総目録の時点で日本から記録されている属は一応一通り載っています。 その後追加されたProsthiochaetaはないようですが。 Re: 教えてください - pakenya 2008/04/15(Tue) 16:04:13 No.4434 市毛様、ウミ様、Arge様、情報をありがとうございます。 レスが遅れて申し訳ありません、先ほど今月の沖縄出張から戻りました。 ウミ様ご教示の検索keyを確認してみたところ、矛盾は無いようで、Elassogasterのようです。 はなあぶ17号にはE. hilgendorfiのメスの写真が載っていますね。なるほど、同じ顔、同じ色彩です。目録に載っている本属の種は本種のみなので、あたり!のようです。分布も問題ないようですし。 今月の出張中にも、沖縄島南部の豊見城城址公園でも採集してきました。沖縄では各地に普通のようです。 皆様、ご教示ありがとうございました。 Re: 教えてください - ウミユスリカ 2008/04/15(Tue) 21:15:56 No.4437 属の検索が符合していたようで安心いたしました。 写真は雌でしょうか。 ミミズの死体に集まっていた個体の性比がどうなっていたのか気になります。やはり卵巣成熟に必要なタンパク質を摂取していたのでしょうか。 Re: 教えてください - pakenya 2008/04/16(Wed) 07:29:02 No.4440 投稿画像は♂個体で、geniを引き出してあります。 ♀も採集しておりますが、雌雄の比率は確認していませんでした。 採集時、ミミズにはオビキンバエの類が黒山(金緑山)にたかっており、その隙間を窺っていたようで、あぶれたヤツ?が周囲の草に多数静止していました。採集したのは交尾していた1ペアのみです。 周囲に静止していたのがみんな♂だとしたら、栄養摂取に飛来する♀を♂が待っていたのかもしれませんが、未確認です。機会があったら確認してみたいと思います。 Re: 教えてください - ウミユスリカ 2008/04/16(Wed) 09:54:38 No.4441 > 投稿画像は♂個体で、geniを引き出してあります。 ヒロクチバエ科独特の長い鞭状突起のあるaedegusが見えていなかったので、広げてある生殖節を雌の産卵管の先端部と誤認してしまいました。確かにcercusとsurstylusが見えてますね。失礼いたしました。 > 採集時、ミミズにはオビキンバエの類が黒山(金緑山)にたかっており、その隙間を窺っていたようで、あぶれたヤツ?が周囲の草に多数静止していました。採集したのは交尾していた1ペアのみです。 オビキンバエ属のほうが体にボリュームがあるので確かに細身のヒロクチバエ科では太刀打ちできなさそうですね。南西諸島ですからオビキンバエ、ホホグロ、ホホジロの3種全部が出そうですが、何が来ていたのでしょう。 > 周囲に静止していたのがみんな♂だとしたら、栄養摂取に飛来する♀を♂が待っていたのかもしれませんが、未確認です。機会があったら確認してみたいと思います。 多くのハエで、卵巣の成熟に雌がタンパク質摂取を必要とするのはもちろんなのですが、オスも精巣の成熟にタンパク質が必要となりそうなフシがなきにしもあらずなんですよ。いくつかの私信からの類推なのですが。ゆとりがあったら確かめてみたい事項の一つです。 ですから、タンパク源の周囲への雄の飛来は、雌目当てと、自らの摂食のための、2つの可能性が考えられるんです。 |