正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:23:34 No.4139 これも,8月に茨城県北部の山間部(標高800m程)の薄暗い沢沿いで採集した,体長9mm程のガガンボです. 北隆館の大図鑑を見ると,オオキマダラガガンボに該当するのではないかと思います. 添付:4139.jpg (80KB) Re: 正月はガガンボ三昧? - 茨城@市毛 2008/01/02(Wed) 10:24:19 No.4140
オオキマダラガガンボと思われる個体の交尾器です. Re: 正月はガガンボ三昧? - 茨城@市毛 2008/01/02(Wed) 10:31:50 No.4141 これも,7月下旬に栃木県境の八溝山中腹(標高800m程)の沢沿いで採集した,体長8mm程のキマダラガガンボの1種と思われます. 前種に比べ翅の暗色部が多く,中胸背の前半が赤褐色です. 恐らく,北隆館の大図鑑に載っている,キマダラガガンボEpiphragma (Epiphragma) trichomeraに該当するのではないかと思います. こちらは,Alexanderの原記載に交尾器が載っていますが,同属のsubfascipennisとsubinsignisの原記載を持っていないので,違いが判りません. よろしくお願い致します. Re: 正月はガガンボ三昧? - 茨城@市毛 2008/01/02(Wed) 10:32:54 No.4142 キマダラガガンボと思われる後者の交尾器です. よろしくお願い致します. Re: 正月はガガンボ三昧? - バグリッチ 2008/01/02(Wed) 22:27:51 No.4153 市毛様、皆さん、今年も宜しくお願い致します。 実は私もガガンボの画像をいくつか準備していてこれから少しずつ聞こうかと思っていました。 市毛さんのオオキマダラガガンボの画像にそっくりな画像もちょうどありましたので、併せて見てもらえたらありがたいです。 翅の模様はピッタリに見えますがいかがでしょうか? ご教示いただけましたら ありがたいです。 宜しくお願い申し上げます。 Re: 正月はガガンボ三昧? - 達磨 2008/01/05(Sat) 00:04:05 No.4159 達磨です。 Epiphragmaの和名はちょっと混乱しています。 解説すると、もともとは(江崎、日本昆虫図鑑(北隆館)や昆虫界などでは)E. subinsignisをキマダラヒメガガンボ、E. subfascipennisをオオキマダラヒメガガンボと呼んでいたのが、後の(北隆館)原色昆虫大図鑑IIIでは、E. trichomeraをキマダラヒメガガンボ、E. evanescensをオオキマダラヒメガガンボと呼んでいます。九州大学でまとめた日本産昆虫総目録では後者の呼び方を採用しています。なぜこんな面倒なことが起こったのかは分かりません。 日本のEpiphragmaにはこの4種のほか、北海道にE. ocellare(ロシアと共通種、未発表)、奄美、沖縄、石垣にそれぞれ別と思しき種(ちゃんと調べていません)などが容易に区別されるので、少なくとも10種程度はいるものと推察されます。本土のものもちゃんと見ていないので、かなりいい加減な推測です。 添付したのは九大の標本箱に合った命名者C.P.Alexanderによって同定された3種の翅の図です。覚え書き程度に描きとめたラフな図なので、脈の長さなどのバランスはいい加減ですが、模様の特徴はつかめると思います。個体変異が大きいのでその点もご注意。 これに照らし合わせると、最初のオオキマダラではないかというのがE. evanescens、キマダラではとお尋ねのものが、E. subinsignisでしょう。 Re: 正月はガガンボ三昧? - 茨城@市毛 2008/01/05(Sat) 18:55:31 No.4162 達磨様,ありがとうございました. これで,多少Epiphragmaが判るようになりました. 和名についても解説して頂きありがとうございました. 確かに,江崎氏により日本昆虫図鑑(1932, 北隆館)でE. subinsignisやE. subfascipennisに新称として和名が付けられ,1950年版の改訂版に引き継がれましたが,高橋氏が執筆した原色昆虫大図鑑III(1965, 北隆館)で別種の和名に変わってしまっていますね. 時折このようなことがあるので,和名と学名は併記しないと怖いですね.ハナアブ科の場合も,同様なことが起きている種類があり,悩んだことがありました. ありがとうございました. Re: 正月はガガンボ三昧? - アノニモミイア 2008/01/05(Sat) 23:24:00 No.4164 市毛さんが朽木性双翅類に関心をお持ちなので,横から飛び入りで.Epiphragamaの幼虫も水辺の朽木中に生息していて,しばしばかなりの個体が朽木から羽化してきます.前胸呼吸突起がやや湾曲してその先端が鋭く尖っているので,クチキカなどの脱皮殻から区別できます. |