珍しいシラミバエ 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/12/11(Tue) 15:47:18 No.4070 香川県でヤマシギの死体より得られたというシラミバエをいただきましたので、調べてみたところ、Ornithomya chloropsという種類であることが判明しました。(参考文献「カザフスタンのシラミバエ}・・もちろんロシア語・・読めませんが・・各種の図版はしっかりしてるので、十分参考になります。) 添付:4070.jpg (14KB) Re: 珍しいシラミバエ - ハエ男 2007/12/11(Tue) 15:51:32 No.4071
茂木らの日本の蛹生類の記録では一応、記録はあるものの、10例のみと少なく、またヤマシギからははじめての記録となります。 Ornithomya属は眼縁剛毛配列で日本産既知種については同定可能だと思われます。 Re:属までの検索 - ハエ男 2007/12/11(Tue) 16:03:48 No.4072 シラミバエを調べてるうちにとりあえず、こんなのを作ってみました。MNDにはすばらしい検索が出てるのですが、やってみると結構わかりにくいので、もっとやさしくできないかと考えてみました。とりあえず、既知の日本産シラミバエ限定ということでお願いします。あと、属の和名は調べてもわからなかったので、仮につけたものです。 暫定版日本産シラミバエ科既知種(属)の検索(成熟成虫編・・シカシラミバエ属の新成虫は有翅のため、これでは落ちません) 1:無翅→2 有翅→3 2:翅は2次的に脱落したため、基部は残るか、平均棍を持つ。(シカシラミバエ属Lioptena)3種 翅は退化し、完全に無翅、平均棍もない。(シラミバエ属 Melophagus)ヒツジシラミバエ1種 3:翅の先端は細く尖る→4 翅の先端はなめらかに弧を描く。→5 4:翅の先端は著しく細く尖り、基部から先端にかけて膜質部も著しく少ない。(ホソバネシラミバエ属Stenepteryx)イワツバメシラミバエ1種 翅の先端は細く尖るが、基部や中央には膜質部は広く存在する。(コバネシラミバエ属Crataerina)アオキアマツバメシラミバエ1種 5:単眼を欠く。→6 単眼を持つ→8 6:翅前縁部以外の翅室は完全に仕切られず、つながっている。(ウマシラミバエ属 Hippobosca)H.longipennis1種 翅後縁の翅室は仕切られて独立している。→7 7:翅のdm-cu脈を完全に欠く(Pseudolyncha属)P.canariensis1種 dm-cu脈は不完全だが確認できる(Icosta属)4+1種 8:頭部のpedicelは著しく太く長い(Palpusの長さよりも長い)( フトヒゲシラミバエ属Ornithoctona)O.plicata1種 pedicelはPalpusの長さをを超えない。→9 9:翅に2A脈を持つ(セルリシラミバエ属Ornithophilla)・・・セルリシラミバエ1種 2A脈を持たない。→10 10:翅のR1脈に刺毛列を持つ。(マルヒゲシラミバエ属Ornithoica)2種 R1脈に刺毛列を持たない。(ハトシラミバエ属Ornithomya)6種 現在検討中の内容なので暫定ということでお願いします。また間違いなどお気づきの方はぜひご教示ください。 日本語検索! - Acleris 2007/12/13(Thu) 01:35:39 No.4076 ほったらかしだった手持ちのシラミバエを早速検索してみました。 セルリシラミバエに行き着きました。ヤホホ〜 日本語は楽です。ホント。 ハエ男様、ありがとうございました m(_'_)m このハエは阪神大震災で傾いた自宅を引き払う際に、室内の電灯カバーの中から死骸で見つけたものです。 前年のうちに迷い込んで死んだものと思います。 Re: 日本語検索! - Acleris 2007/12/13(Thu) 01:40:05 No.4077 各部の拡大です。 2A脈があります(矢印)。 単眼は見落としそうなくらい非常に小さいですね。 ところで、セルリであってますか? (比較標本全くないのでちと不安) Re: 珍しいシラミバエ - ハエ男 2007/12/13(Thu) 06:09:57 No.4078 眼縁剛毛は抜けてしまってるようなので、断定はしにくいですが、多分セルリであってると思います(ほかの部分はあってるように見えますし・・)。一応、カザフのモノグラフに出てる図版も出しておきます。 Re: 珍しいシラミバエ - Acleris@会社 2007/12/13(Thu) 20:26:57 No.4079 ハエ男様、コンニチワ。 セルリであっているとのこと、ありがとうございます。 少し調べたら、「ハナアブNo.8(双翅目談話会,1999)」にセルリシラミバエの報文が載ってました。 それによると、本種は熱帯・亜熱帯で繁殖し、その周辺部で広く採集され、13目42科134属の鳥類に寄生する。とあり、すでに兵庫県でも未発表ながら記録されているようです。 寄主からほとんど離れないため、採集はされないものの、けっこうあちこちにいる種類のようですね。 |