真夏もオドリバエ 投稿者:Acleris 投稿日:2007/08/01(Wed) 18:09:03 No.3718 コンニチワ、いつもお世話になります。 真夏にもオドリバエはいるんですね。 検索表をたどると、Hybos属に行き着きましたが、あっているでしょうか? 後脚は通常なのですが、中脚付節は突起のある不思議な形をしています。前脚腿節にはブラシ状の毛束があります。 あと複眼は、真ん中から上は大きな個眼、下側は小さめの個眼にはっきり区分され、まるで遠近両用めがねのようでした。 何でもかんでも無節操に虫取りしていますが、よろしくお願いします。 添付:3718.jpg (95KB) Re: 真夏もオドリバエ - Acleris 2007/08/01(Wed) 18:11:45 No.3719
いつも聞いてばかりなので、同日に採ったミズアブを貼っていきます。 ハキナガミズアブですよね。 リストにも同属他種がいないのであっていると思うんですが。 ハエ図鑑にお使い下さい。 Re: 真夏もオドリバエ - アノニモミイア 2007/08/01(Wed) 19:30:09 No.3721 オドリバエはSyneches属の1種です.これはParahybos亜属が適用可能な種で,chiragra群という特殊な種群に属します.日本からはSyneches deformitarsis Saigusa, 1964が西表島と石垣島から記載されています.本土の種はこれとは別種で未記載です.これは本州から九州にかけて分布し,まさに盛夏に成虫が出現します.個体数が少ないものでして,私も10頭ほどしか持ちません.Aclerisさんが記述されているような脚の形態のほかに,腹部に長毛を生じますし,後頭部が他のSynechesとは異なって膨出し,CuA室(伝統的なanal cell)が長く伸びて尖ります(この形質のためにAclerisさんがHybos属に同定されたのでしょう).♀の脚は正常で,翅は透明感が強いです.この種群は台湾に2種棲息するほかに,東南アジアに分布し,私の手元にも数種あります.生態など一切不明でして,配偶行動でもわかれば♂の変わった形質の意味が分るかもしれません. 複眼の個眼が顕著に分かれる傾向がSyneches属ではしばしば見られます.本属の場合は上部がややあるいは強く扁平になり,その部分の個眼が著しく大きくなります(最も大きい場合は単眼より大きい).ここで上空を飛ぶ餌を見ているのでしょう.感覚生理学者に聞いても,大きい意義は知らないようです. Re: 真夏もオドリバエ - Acleris 2007/08/02(Thu) 04:58:10 No.3727 アノニモミイア様、詳細なご教示ありがとうございます。 Syneches属の1種とのこと、やはりシロウトの検索では迷子になってしまいます。 本個体は、画像に記載したように、神戸市の市街地から少し入った低山地で見つけました。 アラカシ、ニセアカシア、コナラなどが主体の雑木林で、標高は120m程度です。目の高さのコナラの葉の裏に、単独で止まっていました。 また、質問に伺うこともあるかと思いますが、よろしくお願いします。ありがとうございました。 |